助成金2016年度実績

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創造都市横浜における若手芸術家育成助成 
クリエイティブ・チルドレン・フェローシップ

【講評】 
 今回、活動を始めたばかりの若手から、ある程度の実績のあるアーティストまで、幅ひろい応募があった中、この助成を使ってどんなステップアップをしていくかが明確であり横浜から発信していく意識の強いアーティストを採択した。
 武田力さんは、サポートの必然性を強く感じた。舞台芸術部門の応募者のなかで、同時代的視点を持ち、アジア主体の活動から、新しいことに挑戦する姿勢が高く評価できる。また今後その経験を横浜に還元してくれることを期待できる。
 田村友一郎さんは、現在の制作の中心としているインスタレーション作品に加え、本人の作品と活動をアーカイヴすることを作品化し、システムとしてアーティストのみならず周囲に広げていくことに期待できる。
 渡辺篤さんは、社会的事象を作品の題材としたプロジェクトを実行中であり、独自性と同時に、客観性を感じられる点を評価した。作家として作品をつくり続け、外国語圏にも展開したいという意思を強く感じられた。

審査員:窪田研二・曽谷朝絵・中野仁詞・木村絵理子・岡田利規・中村恩恵・山口真樹子・中冨勝裕

【採択者】 (氏名:50音順)

アーティスト 武田 力 (タケダ リキ)
交付金額 1,000,000円
プロフィール

アーティスト、俳優。
とある幼稚園で働いたのち、演劇に俳優として関わる。
2012年より自身での作品制作を開始。素材は「子ども」や「糸電話」や「街」など。
それらはアジア各地の民俗芸能の構造をもとに創作されている。民俗芸能に社会の端緒を見、そこに現代を反映して観客一人ひとりとともに思考する作品を制作している。

アーティスト 田村 友一郎  (タムラ ユウイチロウ)
交付金額 993,240円
プロフィール アーティスト。現在、東京藝術大学大学院映像研究科博士後期に在籍。
近年は、場所に関するアプローチに着目し、場所の歴史やコンテクストを読み込み、入念なリサーチに基づいた作品の制作を試みる。その場合に於いても、場所のコンテクストと自らの経験を独自の方法で接続し、新たな風景を生み出す傾向にあり、最終の表現形態は、映像、インスタレーション、パフォーマンスと多岐にわたる。
アーティスト 渡辺 篤  (ワタナベ アツシ)
交付金額 810,000円
プロフィール

現代美術家。
東京藝術大学在学中から自身の体験に基づく、傷や囚われとの向き合いを根幹とし、かつ、社会批評性強き作品を発表してきた。表現媒体は絵画を中心に、インスタレーション・写真・パフォーマンスなど。
テーマは、新興宗教/経済格差/ホームレス/アニマルライツ/ジェンダー/ひきこもり/精神疾患 など多岐にわたる。卒業後、路上生活やひきこもり経験を経て2013年、活動再開。以後精力的に発表を続けている。

クリエイティブ・インクルージョン活動助成

【講評】
 今回はじめて実施した本制度であるが、その制度の趣旨に相応しく多様な提案を市内外からいただけたことは横浜への期待をあらわすものであり、審査員一同でまずは申請者全員に深く感謝する。一方で初制度であるため過去の採択事例がなく、「クリエイティブ・インクルージョン」という新たな概念をどのように捉えるかによって、その提案内容は大きく異なっていた。そうした中、突出して優れた提案がなかったものの、創造都市横浜ならではの視座をもった提案がいくつかあり、その中からバランスを考慮し採択した。

 黄金町BASEの提案は、これまで黄金町に集積したアーティストが主導となり、そこに住む子供たちを軸とした地域コミュニティのプラットフォーム形成を行う、またそれをモデル化して他都市へ展開していくというものである。アーティストを媒介として地域が一体となり、創造力が育まれていく環境づくりに期待したい。
 ART LAB OVAの提案は、急速に国際化する地域の喫緊の課題解決を訴えるものであった。外国籍の住民が多い中区の関外エリア。ART LAB OVAは、日頃からそこで暮らす子供たちの居場所にもなっている。今回の提案は、そこで彼らと共に音楽づくりを行い、映像を制作し、地域にある映画館で音楽の発表、映像上映していくものである。このことが、新しい音楽表現を生み、その成果が広く発信されていくことを期待したい。
 MADEの提案は、高齢者や子供、障害者など街中で行動する際に不利な立場となりがちな方を対象としたワークショップ等を行い、街のデザインを考えていく取り組みである。横浜のインクルージョンの取り組みにデザイン、テクノロジーの要素は不可欠であり、その点で高く評価できる。一方でその運営体制に不安が残る。今年は助走期間として交付し、次年度以降に繋げるネットワークづくり、チームづくりを進めて欲しい。
 スタジオニブロールの提案は、寿町の住民と対話した上で個々人にあわせたファッションコディネートを行い、クリエイターチームで撮影し展覧会、写真集として発表していくものである。丁寧な交流を通して、強度あるアート作品として発信していくことに期待した。

 結果、黄金町BASEを「プラットフォームモデルの形成」、ART LAB OVAを「場づくり」、スタジオニブロールを「質の高いアート作品発表」、MADEを「最先端のデザイン&テクノロジーの取り組み」と、街に必要な4つの役割を評価し採択した。また「横浜音祭り」開催年という観点から「音」をテーマとした提案、実績のある団体から横浜で新たな挑戦をする学生の提案まで、キャリアの段階に応じた支援を考慮した。
 この中から、2020年に向けた横浜を代表する取り組みが生まれよう、事務局である横浜市芸術文化振興財団、それを所管する横浜市文化観光局が伴走し、クリエイティブ・インクルージョンの概念と共に社会に広めていくことを望む。

審査員:野村誠、栗栖良依、伊藤剛、萩原昌子、岡崎智美

【採択事業】 (団体名:50音順)

申請団体名(代表) ART LAB OVA (申請代表:鈴木 敬之)
事業名 外国ルーツのこどもたちと音と映像の大発表会(仮)
内容  急速に国際化する地域の喫緊の課題解決を訴える提案。外国籍の住民が多い中区の関外エリア。今回は、そこに住む子供たちと一緒に音楽づくりを行い、映像を制作し、地域にある映画館で音楽の発表、映画上映をする。将来、ここにいる外国とつながりのある子供達が地域を支えていくことを念頭に、彼らの現状を街の風景として視覚化していく活動。

・期 間:2016年7月~2017年3月(最終発表、2~3月予定)
・会 場:ART LAB OVA 横浜パラダイス会館、シネマジャック&ベティ
・助成額:120万円
申請団体名(代表) 黄金町BASE (申請代表:山田 裕介)
事業名 黄金町BASE
内容  これまで黄金町地域に集積したアーティストが主導し、そこに住む子供たちを軸とした地域コミュニティのプラットフォーム形成を行う、またそれをモデル化して他都市へ展開していく提案。アーティストの作品の廃材と子供の創造力を組み合わせ、新たな表現を生み出し、また同時に子供の創造力を育む場とする。その過程を記録し、発表していく活動。

・期 間:2016年8月~2017年3月
・会 場:黄金町BASE(新規オープン)
・助成額:150万円
申請団体名(代表) スタジオニブロール (申請代表:矢内原 充志)
事業名 YOKOHAMA INSIDE FASHION @KOTOBUKI
内容  寿町の近くにアトリエを構えるファッションデザイナーと、その町で活動するソーシャルベンチャーが組んで、そこに住む人と対話しながら、最高にオシャレにみせる「一点ものの服」をコーディネートしていく。街の人々をモデルに、カメラマン、メイキャップアーティストなどのプロの手によるフォト&ムービーを制作。展覧会、写真集等で市内外に広く発信し、都市に暮らす人々の発想の転換を促していく。

・期 間:2016年7月~2017年2月
・会 場:横浜市中区内
・助成額:150万円
申請団体名(代表) MADE (申請代表:和田 夏実)
事業名 PLAYFUL CITY
内容  2020年のオリンピック開催年を見据えて、誰もが住みやすい街をめざして、街に住む人が自分たちで街をデザインしていく場づくりを行う。インクルーシヴデザインの概念を元に、高齢者や子供、障害者など、街中で行動する際に不利な立場となりがちな方と一緒に生活の中のデザインを考えていく勉強会を行い、その情報を発信。将来的には、その仕組みを、様々な場所で展開していくことを目指す。

・期 間:2016年7月~2017年3月
・会 場:横浜市中区内
・助成額:30万円

アーティスト・クリエーターのための事務所等開設支援助成
                           (第一期交付 2016年10月25日現在情報)

 事業所名  助成額
 Trim 株式会社 500,000円
 株式会社 Nand R Foldings Japan 437,400円
 木下 直人+ 片桐 三佳 420,000円 

 

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