始末をかくプロジェクト 始末をかく4「茶屋建築に求めてゆかなければならぬ」(2015.10.3~12)

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始末をかく

 

 

 

 

 

 

 

茶屋建築に求めてゆかなければならぬ
岸井大輔

 

人は珍しいものがすきだ。だから、変わったものにであえるように異界との門をつくる。茶屋はそういう門の一つだ。

茶屋は、もともと、遠くにつながる道に仮設された休憩所だった。それが、遊女と過ごす色茶屋や、芸能空間のロビーである相撲茶屋や歌舞伎茶屋、墓地に建てられた小屋などを意味するようになる。日本人は他社を排除するといわれるが、考えの違うものといっしょにいることを楽しむ装置がいろいろあったのだ。そのひとつが茶屋である。
茶屋は、昭和になってなくなってしまった。たとえば、明治の小説、鴎外や漱石には必ず茶屋や茶店が出てくる。哲学者で美学者の九鬼周造は日本美を「茶屋建築に求めてゆかなければならぬ」と書いた。茶屋は、日本人が、他社と接する作法が結集した空間であるといえるだろう。しかし、昭和以降の小説、たとえば志賀や芥川では使われなくなる。茶屋は絶滅しつつあるのだ。

最近、まちづくりやアートにおいて創られた場が増えているが、その割に、市民活動やアートが広まっているようにはみえない。むしろ、それらの場は茶屋の復興を狙っているのではないか。

そこで茶屋という観点から、21世紀日本におけるさまざまなオルタナティヴスペースを再構築し、検討してみたいと思う。

出発点は開港都市とクリエイティヴシティを売りにする横浜馬車道。そこから、鑑賞者のみなさんには異界を求める旅人になっていただき、私たちが横浜のあちこちで見つけた、あるいは設定した、異界との境界をめぐってもらう。ひとつの茶屋をこえるとき、また次の異界との門である茶屋の情報が与えられる。平凡なアート拠点めぐりや街づくり活動が、どこまでが日本的で、どのような自由が保障されているのか、意識的に追体験してもらいたいと思うのだ。
西洋で生まれた、異なる人と出会う手法、アートや市民が、土着し変形され、茶屋となりウヤムヤにされていくことを、2つがであったことをブランドとしている横浜でシミュレーションしてみます。何が見えてきたのか教えてください。

 

【「始末をかく」とは】
「始末をかく」は、2014年度から2018年度にかけ劇作家岸井大輔を中心に進めている演劇創作のための調査と実演のプロジェクト。日本に存在する習慣や倫理を、現代演劇のリソースと捉え、そのリサーチと実験を繰り返し、現代日本演劇の新たな地平を模索している。始末とははじまりと終わりのことで、掃除や整頓など「始末をつける」ことに日本の「始末を書く、描く」芸術の根幹をみつつ、しかし同時にそれは、始まりでも終わりでもない「始末を欠く」永遠輪廻の時間間隔の上にのってこそ可能であっただろうと考え、「始末を欠く現状で、いかにして始末を書くことや描くことができるか」探求している。
2014年は、金春禅竹の謡曲『芭蕉』と夏目漱石の小説『こころ』を扱い、日本における多様性の在処をリサーチした。2015年は20世紀の日本の哲学者九鬼周造の『いきの構造』より茶屋建築に関するくだりを取り上げ、多様性と場所の問題を扱う上演を実施する。

■作 岸井大輔(劇作家)
■参加メンバー 飯島剛哉(アーティスト)、市川航也(アーティスト)、遠藤麻衣(俳優・美術家)、大澤美菜(制作)、小宮麻吏奈(アーティスト)、武久絵里(彫刻家)、竹本真紀(美術家)、橋本匠(トランスフォーマー)、福澤香織(コンサルタント)、村田紗樹(アーティスト)
■主催 始末をかくプロジェクトチーム
■助成 アーツコミッション・ヨコハマ(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
     

 

 【事業概要】

日程 2015年10月3日(土)・4日(日)・10日(土)・11日(日)・12日(月・祝)
12時-21時(受付時間:12時-14時)
参加方法 会場の情報と参加方法は予約者にお伝えします。
みなとみらい線馬車道駅徒歩5分の場所からスタートします。
定員各日30名。
メール(shimatsuwokaku@gmail.com)で、タイトルを「茶屋予約」とした上で
1 参加される方全員のお名前
2 全員の住所
3 全員の当日可能な連絡先(携帯の電話番号・メールアドレスなど)
4 ご希望の日程(10/3、4、10、11、12)
5 ご希望開始時間(12時・12時30分・13時のうちお好きな時間)
をお送りください。返信メールをもって予約の官僚となります。
参加される前日正午まで受け付けています。(定員に達し次第、締め切ります。)
チケット 2,000円、入退場自由。一度参加いただければ、期間中何度でも観覧可能。
お問い合わせ先 shimatsuwokaku@gmail.com
詳細URL 公式サイト http://scratchsettlement.tumblr.com/
Facebookページ「始末をかく」 https://www.facebook.com/scratchsettlement
Twitter @shimatsuwokaku

 

【助成内容】

助成交付対象者 始末をかくプロジェクトチーム
助成事業名 平成27年度 創造都市横浜における創造的活動支援助成