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助成
2024/05/30
日々新しい表現を追求し、創作活動に励むアーティストを支援する助成制度「2024年度 ACYアーティスト・フェローシップ助成」において、5名の採択者を決定しました。 採択者
#助成
コラム
2024/05/22
関内外クリエイターズと公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が主催する関内外OPEN!が、地域まちづくりに関して特に著しい功績のあった活動として認められ、「第11回 横浜・人・まち・デザイン賞〈地域まちづくり部門〉」を受賞しました。 15回の開催を重ね、都市における新しい地域との関わり方の可能性を示していること、また、クリエイターが集まっていることが地域の魅力の一つになっていることが評価されての受賞となりました。 また、活動を支援した団体として「関内まちづくり振興会」「関内桜通り振興会」も支援賞を受賞されました。今後も、魅力あるまちづくりのため、地域の多様な方々と協働できればと思います。  
イベント
2024/06/12
2023年度 アーティスト・フェローの加藤立さんが、横浜市民ギャラリーにて個展「未来のポートレイト」を開催します。昨年度「ACY アーティスト・フェローシップ助成」の対象期間中に制作した作品を中心に、彫刻等の新作も展示されます。 加藤 立「未来のポートレイト」 日時:2024年6月13日(木)〜2024年6月23日(日) 10:00〜18:00 ※6月17日は休館 会場:横浜市民ギャラリー 展示室B1F 入場無料
イベント
2024/05/18
2023年度アーティスト・フェロー、ユニ・ホン・シャープさんが「ゲバルト:制度の暴力に対する抵抗の変遷」に出品します。 〇ユニ・ホン・シャープ/展覧会出品 「ゲバルト:制度の暴力に対する抵抗の変遷」 会期:2024年5月18日(土)〜6月16日(日) 会場:東京日仏学院、CAVE-AYUMI GALLERY、セッションハウス 2Fギャラリー  
コラム
2022/03/18
関内外エリア(横浜・都心臨海部)のクリエイターが一斉にアトリエ・事務所を地域に開くオープンスタジオイベントとして2009年に始まった「関内外OPEN!」。2016年には車道を封鎖し家具や屋台を設えた屋外空間でワークショップなども行うイベント「道路のパークフェス」に発展するなど変遷を経て、2021年は横浜市役所の元駐車場である関内えきちか広場に期間限定の「クリエイターのまち」を出現させた。今回のイベントづくりのプロセスや関内外OPEN!の今後について、ディレクターの安食真さん(スタジオニブロール)、岡部正裕さん(voids)、小泉瑛一さん(about your city)に伺った。 クリエイターの町内会を可視化する ― 今回の関内外OPEN!13ではそれぞれどんな役割分担だったのでしょうか。 安食 何をやるかといったことは全部皆で話し合いながら決めていきましたが、僕は主にコンセプトやタイトルの話し合いをまとめる役割、小泉さんが会場の特にどんなパビリオンを作るかとかいう部分、岡部さんがデザイン周り、といった分担でした。 ー コンセプトはどんな流れでまとめていったんですか。 安食 関内外OPEN!は同じエリアに拠点を持つ物理的な距離が近い人たちの集まりで、日頃の交流を持てることが大きな強みです。しかし、コロナ禍でオンラインミーティングが主流になり、偶然会う機会も少なくなりました。近い距離にいる人の方が遠くなってしまった感覚があります。 僕たちが幹事をバトンタッチされた一昨年の関内外OPEN!12も、コロナの感染状況をみて動画を中心としたオンライン開催にしました。その時、僕ら幹事が思ったのは、いろんな人と深く関われたという実感があまり持てなかったということ。関内外OPEN!13は、「普通にみんなと話したい」という共通認識のもと、もう一度関内外OPEN!に参加する人たちが直接交流できるものにしていくというのがスタートでした。「物理的な距離が近いクリエイターのコミュニティのあり方ってなんだろう」という問いを立てました。 そこから議論を重ね、「クリエイターの町内会」のようなものにしていきたいという方向性を打ち出しました。関内外OPEN!13でやりたかったのは、コロナ禍で失われたご近所話やクリエイターが多く集まる関内外を可視化していきたいということだったんですね。そこで生み出したコンセプト・タイトルになっているのが「関内外一丁目」です。 そのための会場を探して、ちょうどこの空き地を使えるという話になりました。人工芝が敷かれただだっ広い場所だったので、関内外一丁目を表現するパビリオンを作ったらどうだろうと小泉さんからアイデアが出たんです。 小泉 ウェブで一生懸命発信するだけだと関係者にしか伝わらないけど、パビリオンは作ることで街行く人の目 に触れますよね。そういった建築が街に突然現れたら、その意図が100パーセント伝わるかは別ですが、いろんな人たちがお店をやったり何か作ったりしているなということは分かる。「道路のパークフェス」をやっていた時も同じだったと思いますが、関内の地場にこういうクリエイターがたくさんいるんだな、ということをやっぱり見てもらいたいなと思ったんです。 ー パビリオンの設計はどのように進めていったんですか。 小泉 設計自体は、トキワビル(中区常盤町)に事務所を構える構造設計の村上翔くん(SCALA Design Engineers)と、彼の友人でパビリオン設計の経験が豊富な田中麻未也くん(タナカマミヤアーキテクツ)にお願いしました。村上くんはもともと東京の構造設計事務所にいたんですが、僕と大体同じタイミングの2020年春くらいに独立して、関内外の住人になったので声をかけたんです。 町内会というイメージと、関内外エリアの中で活動している人たちをどうやってこの場所に凝縮するか、ということを考えていく中で、もともとグリッド状に町ができている関内に対してもう一つグリッドを引く、街路を空き地の中に引き込むようなデザインになりました。門のところのフェンスを外して敷地の通り抜けができるようにしつつ、一つのアーケードを作ったという感じです。その周りに「商店街」や「ワーク」といったテーマを持たせた場所が生まれてくる、そんなイメージでつくりました。さらにその中を分割して、ある日は野菜を売る人がいたり、ヨガをやる人がいたり、まちの中でいろんなことが起きる、というのをこの広場で実現させるのが会場構成の考え方でしたね。 関内外コミュニティの可能性 ー まちの中での内容や配置はどんな風に決めていったんですか。 安食 まずは各スタジオがこの関内外一丁目に出現するために、「出張オープンスタジオ」という企画を立てました。関内外OPEN!はデザイナー、建築家、アーティストなど様々なクリエイターがいます。その人たちが自身が空き地に出展しやすく、来場者にもわかりやすいように4つの区分を作るところから始めました。 小泉 クリエイターの作品やワークショップだけではなく、どう健康に気をつけているかなど日常的なものも表出したり、商店街を作ることでまちを表現できると思いました。 4つのブロックを「SHOTENGAI」「GALLARY」「WORK&CREATE」「PLAY&WELLNESS」と分け、過去の関内外OPEN!参加者から出店希望を募りました。今回は密になることを避けるため5日間のうち好きな日時に参加できるようにし、参加人数によってブロックの中でも日毎の区画割を作りました。 安食 そのほか皆で直接話すための場として「井戸端会議」を企画しましたね。 ― 今回やってみて気づいたことなどありますか。 小泉 井戸端会議に来てくれた方が建築家の人たちと話すことで、何かが生まれそうな感じになったんですよね。具体的な形にまでなったわけではないですが、そうしたまちの人とクリエイターの協働を後押しするためにどう動いていくのかというのはこれからの課題でもありますね。 安食 すごく良い瞬間でしたね。次の関内外OPEN!のヒントでもあって、このコミュニティの中でコラボすることに期待する意見は多かったですね。今後さらにいろんな出会いや交流、新しいものを生み出していける可能性をとても感じています。 岡部 お祭り当日のちょっと後ぐらいは盛り上がるんですが、年一回だとどうしても熱が冷めてしまうので、そうならないように日常的にコミュニケーションをとったり、あの人はこういうことをやっているんだというのがもう少し見えてきたりすると、コラボもしやすくなると思います。 安食 今回はそれぞれ出店するマルシェ的になってしまいましたが、皆で「関内外一丁目」というまちをつくろうということをもうちょっとしっかり伝えて、そこにあるアートスペースってどんなところかなとか、本屋ってどんな本屋かなとか、チームで考えてもらうようなことを一緒にやれたらより良かったですね。 自分たちがまず、まちを「面白がる」 ー 参加者の定義が曖昧だというお話でしたが、そんな中、関内外OPEN!を開催すること、主体的に関わることのメリット、モチベーションは何でしょうか。 岡部 自分の事務所があるトキワビルにはいろんな方がいて、単純に楽しいんですね。そのコミュニティが良くなれば、毎日の生活が楽しくなったり仕事がしやすくなったりするので、それをもう少し広げたいっていうモチベーションですね。 安食 交流関係が広がっていくというのは幹事をやっていてすごく感じたし、皆やってよかったなと思っていることの一つだと思うんですよね。関内外を経て、そこから仕事で連絡した人もいますし。 もう一つはやっぱり実験できるということなのかなと思っています。普段はクライアントワークが中心の中で、予算を預かって場所を使えて、いろんな人がいる中で何か思い切った実験ができるぞということ。そういうことができる場ってすごく少なくなっているので、この街を使ってこれだけの人たちが集まってできるということに僕はすごく魅力を感じます。 昨年まではチーム感があまり感じられていなかったのでそういうモチベーションがあまり持てなかったんですが、今回13をやって、こんなに面白い人たちがたくさんいるんだとわかったし、井戸端会議にも皆積極的に参加してくれて。「もっと言ってくれればやる」、「一緒に考えたい」と言ってくれる人がたくさんいたので、次はもっと大きな実験や尖ったことをやりたいし、そのための準備として組織化したいと思っています。 岡部 展覧会とかを見に行った時、グラフィックデザインの作品を見て、同じ職種だけどこういうこともやっていいんだ、と自由になれる瞬間なんかがあるんですね。創造都市という礎の上で遊ぶというか、せっかくこういう政策のあるまちにいるからこそ、そこからはみ出していきたいですよね。今はその中に収まってしまっているイメージがあるので。 小泉 僕はお二人のおっしゃっていたことに加えて、この関内外OPEN!のように同じ地域にいるクリエイターたちが、自発的に自分たちをまちに対して開く活動を伝統的にもっと次の世代につなげていきたいと思っています。横浜市の政策としてではなく、僕らが活動しているこのまちとしてどういう面白さを発信していくか、クリエイターがたくさんいるビルがいくつもあるまちの面白さをもっと意識的に実験・発信したいし、まちの人に触れてほしいというのはあるんですよね。そうやって横浜自体が旬であり続ける、面白いと言われ続ける都市の魅力につなげていきたいなと思うんです。 「クリエイティブシティ」って話していて何か難しいというか、定義すればいいものではなくて、やっぱりそこにいるクリエイターたちがやる気になって面白がらないと何も動き出さないと思うんです。東京や海外のクリエイターが、横浜はやっぱりおもしろいな、と思える場所が将来的にもどんどん集積してほしい。 そのために元々の関内外OPEN!にとらわれず、いまの関内外OPEN!はこれですというのを提示していく、単純に参加した方が面白いなという状態にしていく方がいいなと思っているんですよね。 クリエイター主体で次世代へ ― 組織化するという方向なんですね。 安食 関内外OPEN!は今まで市の補助金をベースに活動してきました。いつまで続くかわからない助成金だけに頼らず、自立して継続出来る形を目指し組織化を考えています。また、今までACYが担ってくれていた連絡機能やプロジェクトマネジメントの役割を引き継ぐことにより、メンバー同士の交流をより促進できると思っています。我々クリエイターが主語になって、それをACYに支援してもらうという形にしていきたい。 小泉 できることを増やすためにも予算をさらに増やす方法を自分たちで考えたいなと思ったんですよね。寄付を募るためにも口座が必要なので、自然と組織化という話になりましたが、今までと参加ハードルは大きくは変わらないように考えています。 安食 もっと予算があればいろんなことができる、でも寄付を集めるにも主体がいる、じゃあこの会の目的は何だろうということを、今年はまだうまくすり合わせきれてなかったのかなと思うんです。今は団体として、クリエイター側が一つの集まりにならないと次に進んでいけないよね、という話をしています。 関内外OPEN!立ち上げから携わられているアーツコミッション・ヨコハマ(ACY)の杉崎さんは、「関内外OPEN!はスタート当初の『怪しい者ではございません』と“クリエイターをまちに開く”フェーズから、道路のパークフェスや今回を通して“クリエイターがまちを開く”フェーズに変わってきている」と言っていました。僕らもその意識でいます。 このエリアのクリエイターが集まって、どう実験的に、どう創造的にまちにアプローチしていけるか、それこそが関内外OPEN!だと思います。 今年はメンバーとより話し合いながら、いま横浜はこれだというものに挑戦していきたいですね。それを毎年やっていけたら面白いと思うし、13年続いている関内外OPEN!を次世代へ引き継いでいくために任期を決めました。 岡部 一応任期は決めていて、僕らは再来年(2023年)までなんですよね。 小泉 関内外OPEN!自体はすごく儲かるわけではないので、その中でそれぞれのモチベーションをもって自分なりのチャレンジだと思っているからできる。何か面白そうだからちょっと数年やってみますという若手を見つけていきたいですね。 安食 やっぱり一緒に考えるところからやったほうが絶対面白いんですよね。その面白さを本当に感じてほしい。 岡部 そうですね、パビリオンの設計のラフが出てきた時やコンセプトがバシッと決まった時、その瞬間を一緒に体験してくれるほうが本番に向けても前のめりになれますし、今年はそういう風にやりたいですね。 文:齊藤真菜 写真:大野隆介(*を除く) 撮影協力:似て非works末吉町 【インフォメーション】 関内外OPEN!13「関内外一丁目」 日程:2021年11月3日(水・祝)~7日(日)各日11時~17時 会場:関内えきちか広場(横浜市中区尾上町2-26周辺) 参加クリエイター:市内で活動するアーティスト、クリエイターおよそ50組 料金:入場無料(一部プログラム有料)※混雑状況に応じ入場制限あり 主催:関内外OPEN!13事務局(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)、関内外クリエイター各事業者 共催:横浜市文化観光局 ディレクター:安食真(Studio NIBROLL)、岡部正裕(voids)、小泉瑛一(about your city) サブディレクター:鬼塚知夏(stgk)、萬玉直子(オンデザイン) パヴィリオン設計・構造デザイン:田中麻未也(タナカマミヤアーキテクツ)、村上翔(SCALA Design Engineers) 協力:原﨑寛明(CHA)、アスカコヤマックス株式会社、オンデザイン、CoUen、サンキャク株式会社、山手総合計画研究所、YOXO BOX 【プロフィール】 安食真(スタジオニブロール) 1985年生まれ。拠点の横浜市と、地元の北海道旭川市で活動するクリエイティブディレクター/デザイナー。様々な企業や自治体からの依頼で、課題解決のためのデザインコンサルティングやブランディングを行っている。デザイン思考を活用したコンセプトメイキングからプロダクトアウトまでを一貫して行う。得意分野は地域特化型産業、福祉、環境、デザイン教育など。 http://www.nibroll.jp/ 岡部正裕(voids) 1981年生まれ。千葉県出身。美学校「絵と美と画と術」修了後、株式会社アジール、フリーを経て2015年に株式会社voids(ボイズ)を設立。グラフィックデザイナーとして書籍・パンフレット・フライヤー・ポスター等の印刷物をはじめ、CI/VI 制作(ロゴ、シンボルなど)などを手がける。タイポグラフィや文字を軸にしたデザインワークを中心に視覚伝達の可能性を探り直している毎日です。 http://voids.jp/ 小泉瑛一(about your city) 1985年群馬県生まれ愛知県育ち。横浜国立大学工学部建設学科卒業。オンデザインパートナーズ、ISHINOMAKI 2.0などを経て2020年にabout your cityとして独立。市民参加型デザインの手法を用いて建築、まちづくり、ワークショップの設計と実践を行う。プロジェクトごとに様々な建築家やクリエイター、デザイナーとコラボレーションしてより本質的な問いとアウトカムを達成することを目指している。 https://aboutyourcity.jp/
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コラム
2024/05/17
 BUKATSUDO×アーツコミッション・ヨコハマ共同企画として2023年度より始まった、視察交流体験プログラム「令和の横浜使節団」。まちづくり・デザイン・ものづくり・食文化等をテーマに、横浜の人々が他都市のヒト・コト・ハコ(場所・街)について現地への訪問と交流の中で学び、感じたものを横浜に持ち帰るプログラムです。  名前の由来は岩倉具視を全権大使とする、1871年に横浜港から出航した「岩倉使節団」。諸外国の優れた文化や技術を学び持ち帰った志や、旅立ちを支えた横浜の文化・背景を継承する、横浜の造船ドック跡地・BUKATSUDO発の学びの旅です。  2023年夏の第一弾に続き、2024年3月1日-2日に第2回を実施。訪問先は信州です。信州アーツカウンシルの全面協力の元、⾧野県で活躍する様々なジャンルの拠点や活動を訪問し、信州の文化活動や持続可能なまちづくりを視察しました。   1日目/上田市内を視察   旅の始まりは、長野県は上田市にある「犀の角」から。海野町商店街の一角にある、劇場/ゲストハウスを有する民間の文化施設です。演劇・音楽・アートなど様々な表現活動や地域住民・アーティストの交流の場として運営されています。 参加者の自己紹介やオリエンテーションからスタート。合間の昼食には上田グルメをご紹介いただき、歓談しながら現地の味を楽しみました。午後は見学に先立ち、上田の方々から取り組みを伺います。 信州アーツカウンシル ゼネラルコーディネーターの野村政之さんには、文化芸術を媒介に協働する協働するモデルなどをご紹介いただきました。信州アーツカウンシルの活動の柱として、文化芸術活動の担い手を支援すること、信州の多様な文化を多様な主体が支えることの2つを重要視しているそうです。 犀の角代表の荒井洋文さんより、犀の角の成り立ちを伺いました。人口15万人の地方都市で小劇場を成立させるための仕組みや、様々な価値観や特徴を持った人が居ることができる、「変な人でも住みやすい街に」という考え方をお話いただきました。そして市民により街なかに助け合いと新しい繋がりを作る活動「のきした」や、そこから広がった様々な取り組みもご紹介いただきました。「のきした」は、この後に登場するNPO法人場作りネット、上田映劇、NPO法人リベルテとも活動を共にしています。 続いてNPO法人場作りネット やどかりハウスコーディネーターの秋山紅葉さんのお話へ。「やどかりハウス」は雨風をしのげる駆け込み宿です。コロナ禍をきっかけに、困難な状況にある方からの生活相談を受けるNPO法人場作りネットと犀の角が共同で「のきした」の活動として始めました。困りごとの前にどうすることもできないとき、助けるー助けてもらうという上下のある関係性ではない、自分や相手を知ろうとする、水平な関係が生まれることがあるといいます。 NPO法人 上田映劇の理事も務める、草の根文化芸術コーディネーターの直井恵さんより、「上田映劇」の取り組みを伺いました。一度は閉館しつつも市民の手により再開した上田映劇。映画館を学校に行きにくい・行かない子どもたちの居場所として活用すべく、「うえだ子どもシネマクラブ」では鑑賞会やコミュニティカフェを開いています。 (*ACYフォーラムvol.3レポート でも取り組みをご紹介しています) NPO法人リベルテの理事長 武捨和貴さんには、障害福祉制度を使い運営しているアトリエや、「路地の開き」という街なかに開いていくプロジェクトをご紹介いただきました。メンバーさんと呼ばれる利用者の方々がその人らしく、自由にいられることを大切にしています。メンバーさんやリベルテのスタッフに加え、地域の方や「のきした」参加者も交えて行ったパレードやまち歩きのプログラムは街の景色を変えているようです。 お話を伺った後は、各施設の見学に行きます。まずは犀の角の中をご案内いただきます。 見学時にはさらに地域の内外の方に利用してもらえるようにコワーキングスペースや印刷スタジオを作るべく改装中でした。3階は稽古場として使用したり、貸しスタジオとして利用されているそう。ゲストハウス棟も母屋のすぐ隣です。 犀の角から上田映劇、リベルテのアトリエは徒歩圏内。上田の街は自動車を使わずに移動できる距離感に面白い場所・ことが集まる魅力的なコンパクトシティです。 街歩きを楽しみながら、移動します。 かつては芝居小屋だったレトロな外観の上田映劇。 上田映劇の別館、「トラゥム・ライゼ」には「うえだ子どもシネマクラブ」や「のきした」で活動する子どもや若者たちのための部室のようなスペースが設けられています。写真右側に写る「お願いボード」はやってほしいこと・やったことを見えるようにするために設置しているとのこと。 リベルテのアトリエの1つ、「roji(路地)」。名前のように路地の突き当りにあります。地域の方と一緒に前庭(公園)をつくり、交流の場にもなりました。 アトリエの中で上田獅子が登場!リベルテでは張り子で作られた獅子のグッズも作られています。上田では大正時代に農民美術運動が起こり、農閑期に工芸品をつくる伝統があるそうです。土地に根付く風土や文化を感じさせます。 各拠点を移動する合間も気になるお店や風景がたくさん。参加者同士でおしゃべりをしながら歩きます。   2日目/上田市と長野市を視察   2日目は古いモノと素敵なモノが集まる市場、261(にーろく市)の見学からスタート。表通りから一本入った路地沿いで、3ヵ月に1度開かれるマーケットです。レトロで味のある建物などを会場に、古道具やクラフト雑貨、おいしいものなどのお店が出店します。 街に活気をもたらしたきっかけは、元銭湯の倉庫「26bldg(ニィロクビルヂング)」。261のほかに空き家見学会も行われるなど、エリアリノベーションの動きが広がっています。 「26bldg」の1階には「古道具にろく」。261の日はフードやドリンクのお店も並びます。 261の由来になった元銭湯の会場。脱衣所や浴室も展示や販売に使われています。 道の軒先もマーケットに。 261を楽しんだ後は、しなの鉄道で長野市に移動します。 訪問先は長野県が主催する「くらしふとカンファレンス2024」。気候変動やゼロカーボンに取り組む実践者と、持続可能な地域づくりに取り組む個人・企業・行政プレイヤーが出会い、ゼロカーボンを通じてより豊かな信州を共に創っていくための共創型カンファレンスです。 分科会② まちづくりと共創「幸福度と脱炭素、両輪駆動のまちづくり〜信州独自のスタイルを模索する~」の様子 人の集約や移動に着目し、脱炭素の取り組みは個人の幸福度を高めるまちの使い方につながる可能性があるのではという提言や県内での事例紹介がありました。 越境/共創ピッチA 「○○×ゼロカーボン~異なる分野・切り口からのチャレンジ~」の様子 様々なジャンルの事例としてプロサッカーチームや古民家再生、シビック・イノベーション拠点と並び信州アーツカウンシルの取り組みが紹介されました。会場にもマイクが渡り、全員が一言を述べる場面も。各人の思いや考えをフラットに交換する時間になりました。   信州での学びを振り返る   信州を訪ねてから数週間がたった頃、横浜からの参加者と、受け入れてくださった上田の方々とでふりかえり会を行いました。 参加者からは、「上田ではコミュニティ・文化芸術・福祉が有機的につながっていて、地域の新しい価値の生まれ方として興味深かった」「各々の活動がおもしろいが、どうしたら持続可能でいられるのだろうか」「くらしふとカンファレンスではフラットな場をつくろうとしていてよかった。古民家プロジェクトの方々が横浜を訪れることになり、つながりができたのも嬉しかった」などという意見がでました。 犀の角の荒井さんからは「上田を評価してくださって嬉しい反面、サステナブルという意味では犀の角ややどかりハウスは経営危機に瀕し続けています。しかし、サステナブルではないからこその面白みもあって、それゆえにできているのかなとも感じます」とお話され、信州アーツカウンシルの野村さんは「上田の方々はケアに対するクリエイティビティに富んでいます。弱さの解決方法は強くなることではないのですよね。広がりのポテンシャルがあります」と語ります。 信州の方々からも「相互の行き来、交流、外からの目があるから分かることがあった」「日々起きていることを次のレイヤーで見ることができるようになってきた」という感想もあり、参加者は、相互に場所と時間を共有することで通じ合うものを見つけているようでした。   街と文化を見て回り、交流や対話が生まれることとなった令和の横浜使節団信州編。観光よりも一歩踏み込んだ関係性が作られ、何度でも訪れたくなる身近な地域になりました。2024年度の使節団も計画中です。続報をお待ちください。   文・写真:アーツコミッション・ヨコハマ
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アーツコミッション・
ヨコハマ
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  • ACYが主催する事業のレポートや、スタッフが語るACYの裏側など
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アーツコミッション・ヨコハマ(ACY)は、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が運営する「芸術文化と社会を横断的に繋いでいくための中間支援」のプログラムです。

横浜市の掲げる文化芸術創造都市施策の実現に向け、都心臨海部におけるアーティスト、クリエイター、企業、行政、大学、NPO、非営利団体等の創造の担い手が活動しやすい環境づくりを推進します。