2018年度から新たにブリティッシュ・カウンシルと連携し英国交流ホストタウン事業として、「平等・多様性・包摂(EDI)」をテーマに、先進的な取組みを行うクリエイティブ・スコットランドのミリカ・ミロシェビッチ氏を招聘し、横浜に集うアーティストやクリエイター・NPO・市民・企業・学校など、様々な創造活動を展開する創造の担い手を対象としたフォーラムとワークショップを開催しました。
●日時:2019年2月19日(火)14:00~17:00
●会場:神奈川県民ホール・大会議室
●プレゼンター:山崎優、大前光市、秦野五花、矢内原充志、金野千恵、中村美亜
●パネルリスト:ミリカ・ミロシェビッチ、大前光市、矢内原充志、金野千恵、杉崎栄介、中村美亜
●来場者:83名
●内容:ミリカ・ミロシェビッチ氏による、クリエイティブ・スコットランドの実践の紹介、各プレゼンターによる、それぞれの取り組みの紹介の後、「平等・多様性・包摂(EDI)」について、パネリストによるパネルディスカッションが行われた。
パネリストプロフィール
ミリカ・ミロシェビッチ
(Milica Milosevic /クリエイティブ・スコットランド 戦略部門イコーリティ・ダイバーシティ・インクルージョン担当長)
芸術分野で20 年以上の経験を持つ。アーツカウンシル・イングランドにてダイバーシティと音楽プログラムにおけるシニアリレーションシップマネージャーとして、イングランドの芸術分野におけるイコーリティ・ダイバーシティ・インクルージョンに関する戦略、政策を担当。あわせて多様な芸術団体の支援を行うとともに、難民、高齢者、ホームレスなど多様な人々を対象にしたプログラムや、少年司法制度や健康福祉分野との連携事業などを担当した。アーツカウンシル・イングランド在籍時は、シニア戦略オフィサー、ダイバーシティ(ナショナル)、ロンドンオフィスのダイバーシティチーム長、ロンドン・リージョナル・アーツボード部門長を歴任。
大前光市
(舞踏家、振付家、ダンサー)
交通事故で左足を失ったダンサー。関西大学人間健康学部 客員教授、しながわ2020スポーツ大使、岐阜県より芸術文化奨励賞を授与。米国アーティストビザ(O-1)を所得。
左足を失ってから国内外のコンクールにて多数の一位を受賞する。2016年 リオデジャネイロの大舞台にて片足4回連続バク転をし世界中を驚かせる。2017年 紅白歌合戦にて平井堅と共演、その後のNHKスペシャルで特集され大反響を呼ぶ。2018年 MGMに招待され米国ラスベガスにてJABBA WOCKEEZと共演し大成功を収める。国内外の舞台だけでなく、テレビ、ラジオ、GQなどのファッション雑誌やメディアへの出演も多い。
金野千恵
(建築家/t e c o共同代表)
神奈川県生まれ。2005年東京工業大学工学部建築学科卒業、同大学院在学中2005-06年スイス連邦工科大学に奨学生として留学。2011年東京工業大学大学院博士課程修了、博士(工学) 取得。同年、KONNOを設立ののち、2015年 t e c oを共同設立。2011(-12)年 神戸芸術工科大学助手、2013(-16)年 日本工業大学助教、現在、東京大学、東京藝術大学他にて非常勤講師。住宅や福祉施設の設計、まちづくり、アートインスタレーションを手がけるなかで、仕組みや制度を横断する空間づくりを試みる。主な作品に、住宅 『向陽ロッジアハウス』(平成24年東京建築士会住宅建築賞金賞、2014年日本建築学会作品選奨 新人賞ほか)、高齢者幼児複合施設『幼・老・食の堂』(SDレビュー2016 鹿島賞)、ヴェネチア ビエンナーレ建築展2016 日本館 会場デザイン(特別表彰 受賞)など。
中村美亜
(九州大学大学院芸術工学研究院准教授)
専門は芸術社会学。芸術活動が人や社会に及ぼすプロセスや仕組みに関する研究、また、その知見を生かした文化政策に関する提案を行っている。東京藝術大学卒業後、アメリカのミシガン大学、ワシントン大学セントルイス等で音楽学や文化研究などを学ぶ。学術博士(東京藝術大学)。編著に『ソーシャルアートラボ—地域と社会をひらく』(水曜社、2018年)、著書に『音楽をひらく―アート・ケア・文化のトリロジー』(水声社、2013年)など。『クィア・セクソロジー—性の思いこみを解きほぐす』(インパクト出版会、2008年)をはじめジェンダーやセクシュリティに関する著作も多い。東京藝術大学助教などを経て、2014年4月より現職。九州大学ソーシャルアートラボ副ラボ長、共創学会理事、アートミーツケア学会理事。
矢内原充志
(ファッションデザイナー/スタジオニブロール代表)
愛媛県今治市出身。桑沢デザイン研究所卒業。1997年~2011年国際的に活躍するパフォーミングアート・グループ「ニブロール」のアートディレクター・衣装担当として活動。平行して、2002年~2009年「Nibroll about Street」名義で東京コレクションを発表。東日本大震災を受けてこれまでの表現活動を見直し、2011年からリアルクローズのメンズブランド「MITSUSHI YANAIHARA」を始動。2012tokyo新人デザイナーファッション大賞プロ部門選出。また衣装家として海外を中心に活動しながら、国内では様々なプロジェクトのアートディレクションを手がけている。有限会社スタジオニブロールCEO。桑沢デザイン研究所非常勤講師。
恵良隆二
(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団 専務理事)
横浜市出身。東京大学農学部(緑地学)卒業後、1974(昭和49)年三菱地所株式会社入社。横浜みなとみらい21事業、横浜ランドマークタワー計画、旧横浜船渠第2号ドック(ドックヤードガーデン)保全活用計画、クイーンズスクエア横浜計画ほか、丸ビル建替え計画、日本工業倶楽部会館保全活用計画等の丸の内再構築計画、街ブランド方策の企画・実施、並びに三菱一号館美術館の開設に従事。2006(平成18)年より横浜市の創造界隈形成推進委員会委員も務める。2016(平成28)年3月退職。同年4月、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団常務理事、2018(平成30)年6月より代表理事・専務理事。