募集終了 2016年度 クリエイティブ・インクルージョン活動助成

2016年度 クリエイティブ・インクルージョン活動助成

趣旨】
 アーツコミッション・ヨコハマ(略称:ACY、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団運営)は、横浜市文化観光局が掲げる、誰もが互いに尊重し、支えあう共生社会の実現を目指す「クリエイティブ・インクルージョン」(これまでの横浜市の文化芸術の創造性を活かしたまちづくりを踏まえ、様々な違いを超えて創造的に課題解決を図るとともに、誰もが対等な関係で関わり合い、社会や組織に参画するという考え方)の理念に基づき、同助成制度を実施します。 本助成制度では、「クリエイティブ・インクルージョン」の考え方の中から、特にアーティスト、クリエイター等が行う「社会包摂の視点を有しながら現代の表現を追求していく活動」に助成をしていきます。
今後、ますます多様となる社会。アーツコミッション・ヨコハマは、アーティスト、クリエイター等が持つ包摂性の解釈、独自の視点に注目しています。

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この記事のURL:https://acy.yafjp.org/grants/2016/18480/

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募集要項

【対象】

(1)テーマと活動内容
本制度は、「テーマ応募」と、「自由応募」の2種類があります。
なお、審査会では、「テーマ応募」の採択を優先します。

今年のテーマは、「横浜音まつり」の開催年であるため、「音」とします。

具体例として、芸術の創作、芸術鑑賞機会のアクセス向上に繋がる取り組み、広告的アプローチ、グラフィック、プロダクトやファッションデザイン、建築における実験的デザイン、テクノロジーとの融合などを想定していますが、自由な発想を期待しています。

(2)実施場所
原則として横浜市内。
(活動の一部について海外を含む市外で発表する際は、その経費を認めるか否かを審査で検討しますので、その旨を記載してください。)

(3)対象期間
平成28年4月1日~平成29年3月31日に実施されるもの
※原則、平成28年度内に執行された経費を認めます。但し、審査前に完了する活動は認めません。

(4)その他
横浜市及び横浜市が出資する公的団体が「主催(委託含む)」、「助成金を交付」する事業は、対象になりません。但し、「共催」「協力」「後援」等で、市関連予算が交付されていない場合は、対象になります。

■助成金額

下限50万円~上限200万円/年
※申請金額を決めて応募ください。
(対象経費のACY助成率:初年度制限なし、次年度以降の継続申請の場合、総予算の1/2以内)

※助成額は、事業予算の範囲内で決定されるとともに、審査の結果が助成額に反映されるため申請額すべてを満たすとは限りません。

※以下を助成対象経費とします。
出演料、企画料、デザイン料、制作費、会場使用費、印刷費、郵送費、保険料など事務費、
著作権料、事業当日運営費、その他制作活動にあたって必要な経費と認められるもの

※以下を助成対象外経費とします。
交際費、接待費、飲食費、諸給与、事務所維持費、生活費

■審査・評価

(1)審査の方法
専門家からなる審査会にて選考します。
一次選考:書類選考
二次選考:面接(プレゼン) ※一次選考通過者のみ

(2)審査のポイント
●親和性:共感を高める仕組みを有し、社会へのひろがりが見込めるもの
●先駆性:社会に先駆けた活動であるもの
●実現性:企画、体制、場所の確保、予算、スケジュールの妥当性と進行管理能力があるもの
●継続性:将来への発展が期待できるもの
●影響力:将来的に社会へのインパクトを与える期待がもてるもの

【参考】
事務局では、本助成の趣旨(クリエイティブ・インクルージョン)を達成するためには、事業段階において、発表段階(アウトプット)と同様に過程段階(プロセス)の仕組み、工夫が重要と考えています。申請段階で、その点がわかるように記入してください。

(3)評価の方法と目的
交付決定後から①過程段階(プロセス)、②発表段階(アウトプット)の2段階で評価を行います。その内容は、①事務局及び専門家とのミーティング、②事務局及び専門家による発表の視察、報告書を元にしたミーティングです。これらの評価の目的は、進行管理と実現に向けた支援です。

(4)審査員 (敬称略/順不同)
野村誠(作曲家)野村誠HP 
栗栖良依(NPO法人スローレーベル ディレクター)スローレーベル
萩原昌子(NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク 副理事長)シアター・アクセシビリティ・ネットワーク 
伊藤剛(株式会社アソボット 代表取締役)asobot inc.  synodos 著作
岡崎智美(横浜美術館 教育普及グループ子どものアトリエ 主任エデュケーター)みんなの美術館プロジェクト 

■申請

(1)申請者
チームを組み応募してください。(代表者は、法人所属か個人かは問いませんが、口座は個人名義ではなく、法人名義もしくは、別途チーム・団体で必要となります。)

(2)スケジュール
申請締切   平成28年5月20日(金)必着
交付決定通知 平成28年6月下旬

(3)申請方法
所定の申請書に必要事項を記入し、下記の書類を添えて原本含め各7部をセットして、郵送、宅急便、または持ち込みでご提出ください。※ホチキス止め不可、ファイリング不可。提出書類は返却しません。申請書の様式は当サイト下部にある表からダウンロードしてください。

【提出書類】
①申請書(申請者略歴、企画書、予算書、チーム体制、スケジュール等)(様式1)
②法人・団体(任意団体含む)の場合は定款、役員名簿を添付。(様式なし)
③その他、本企画に関わる添付資料(過去の実績など)(様式なし)

■申請書類の提出先・お問合せ先

〒231-0023 横浜市中区山下町2 産業貿易センタービル1階
公益財団法人横浜市芸術文化振興財団
アーツコミッション・ヨコハマ インクルージョン助成 係

*持ち込みの場合の営業時間:平日9:00~17:00

■申請、連絡、打合せの方法について

本制度は、事務手続き上、日本語を書面に記しての申請が前提となります。また、採択後、事務局と電話、メール、対面等でコミュニケーションが必要となります。
申請までは、どなた様でも応募できるように、事務局で出来る限りのお手伝いしますので、何でもお気軽にご相談ください。メール、電話、来館、どのような形でも結構です。
また、交付決定後の連絡や打合せの方法は、交付者に応じて決めます。

■助成採択後の義務

(1)ロゴの掲示
助成交付した活動が発行する全てのメディアに「助成 アーツコミッション・ヨコハマ」の表記とロゴマークの掲示。

(2)書類の提出
事業終了後1ヶ月以内に指定の様式の報告書(様式3)と決算書(様式3別紙)に領収書等を添付し、提出すること。

(3)各種ミーティングへの出席
交付された個人、団体の申請代表者および実施責任者は、アーツコミッション・ヨコハマが招集する会議に出席すること。

(4)視察への協力
発表の際、審査員及び関係者への無償視察の枠を10名分提供してください(但し、定員が極少数の取り組みの場合は、別途視察会等での対応とします。)

(5)報告会への出席・発表と報告書の提出
各年度末に開催する助成報告会にて活動報告のプレゼンテーションを実施してください。また、助成報告書を提出してください。

(6)調査への協力
アーツコミッション・ヨコハマが実施する当制度に関わる調査に協力すること。

■留意事項

・同一申請者への交付は連続3か年を限度とします。年度ごとに申請・審査を行います。
・助成金は、交際費、接待費、飲食費、諸給与・事務所維持費、生活費への使用はできません。
・次のいずれかに該当する経費は交付対象外となります。
①本助成要綱による助成金のほかに横浜市から補助金又は助成金の交付を受けるもの
②政治的又は宗教的普及宣伝と認められる活動をするもの
③支出以上の収入が見込める活動をするもの
④公序良俗に反する恐れがある活動をするもの
・次に該当する人は申請できません。
①暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第2号に規定する暴力団をいう。)
②市税及び横浜市に対する債務の支払い等の滞納がある方

■申請書のダウンロードおよびお問い合わせ先

PDF版 WORD版
申請書 ダウンロード
交付要綱 ダウンロード
アーツコミッション・ヨコハマ 助成受付係
アーツコミッション・ヨコハマ〒231-0023 横浜市中区山下町2
電話:045-221-0212 ファックス:045-221-0216
受付時間 9:00~17:00 ※平日のみ

申請書類

申請書(WORD版)

ダウンロード

交付要綱(PDF版)

ダウンロード

採択対象

外国ルーツのこどもたちと音と映像の大発表会(仮)

新規

ART LAB OVA (申請代表:鈴木 敬之)

急速に国際化する地域の喫緊の課題解決を訴える提案。外国籍の住民が多い中区の関外エリア。今回は、そこに住む子供たちと一緒に音楽づくりを行い、映像を制作し、地域にある映画館で音楽の発表、映画上映をする。将来、ここにいる外国とつながりのある子供達が地域を支えていくことを念頭に、彼らの現状を街の風景として視覚化していく活動。 ・期 間:2016年7月~2017年3月(最終発表、2~3月予定) ・会 場:ART LAB OVA 横浜パラダイス会館、シネマジャック&ベティ ・助成額:120万円

黄金町BASE

新規

黄金町BASE (申請代表:山田 裕介)

これまで黄金町地域に集積したアーティストが主導し、そこに住む子供たちを軸とした地域コミュニティのプラットフォーム形成を行う、またそれをモデル化して他都市へ展開していく提案。アーティストの作品の廃材と子供の創造力を組み合わせ、新たな表現を生み出し、また同時に子供の創造力を育む場とする。その過程を記録し、発表していく活動。 ・期 間:2016年8月~2017年3月 ・会 場:黄金町BASE(新規オープン) ・助成額:150万円

YOKOHAMA INSIDE FASHION @KOTOBUKI

新規

スタジオニブロール (申請代表:矢内原 充志)

寿町の近くにアトリエを構えるファッションデザイナーと、その町で活動するソーシャルベンチャーが組んで、そこに住む人と対話しながら、最高にオシャレにみせる「一点ものの服」をコーディネートしていく。街の人々をモデルに、カメラマン、メイキャップアーティストなどのプロの手によるフォト&ムービーを制作。展覧会、写真集等で市内外に広く発信し、都市に暮らす人々の発想の転換を促していく。 ・期 間:2016年7月~2017年2月 ・会 場:横浜市中区内 ・助成額:150万円

PLAYFUL CITY

新規

MADE (申請代表:和田 夏実)

2020年のオリンピック開催年を見据えて、誰もが住みやすい街をめざして、街に住む人が自分たちで街をデザインしていく場づくりを行う。インクルーシヴデザインの概念を元に、高齢者や子供、障害者など、街中で行動する際に不利な立場となりがちな方と一緒に生活の中のデザインを考えていく勉強会を行い、その情報を発信。将来的には、その仕組みを、様々な場所で展開していくことを目指す。 ・期 間:2016年7月~2017年3月 ・会 場:横浜市中区内 ・助成額:30万円

助成評価

今回はじめて実施した本制度であるが、その制度の趣旨に相応しく多様な提案を市内外からいただけたことは横浜への期待をあらわすものであり、審査員一同でまずは申請者全員に深く感謝する。一方で初制度であるため過去の採択事例がなく、「クリエイティブ・インクルージョン」という新たな概念をどのように捉えるかによって、その提案内容は大きく異なっていた。そうした中、突出して優れた提案がなかったものの、創造都市横浜ならではの視座をもった提案がいくつかあり、その中からバランスを考慮し採択した。

黄金町BASEの提案は、これまで黄金町に集積したアーティストが主導となり、そこに住む子供たちを軸とした地域コミュニティのプラットフォーム形成を行う、またそれをモデル化して他都市へ展開していくというものである。アーティストを媒介として地域が一体となり、創造力が育まれていく環境づくりに期待したい。
ART LAB OVAの提案は、急速に国際化する地域の喫緊の課題解決を訴えるものであった。外国籍の住民が多い中区の関外エリア。ART LAB OVAは、日頃からそこで暮らす子供たちの居場所にもなっている。今回の提案は、そこで彼らと共に音楽づくりを行い、映像を制作し、地域にある映画館で音楽の発表、映像上映していくものである。このことが、新しい音楽表現を生み、その成果が広く発信されていくことを期待したい。
MADEの提案は、高齢者や子供、障害者など街中で行動する際に不利な立場となりがちな方を対象としたワークショップ等を行い、街のデザインを考えていく取り組みである。横浜のインクルージョンの取り組みにデザイン、テクノロジーの要素は不可欠であり、その点で高く評価できる。一方でその運営体制に不安が残る。今年は助走期間として交付し、次年度以降に繋げるネットワークづくり、チームづくりを進めて欲しい。
スタジオニブロールの提案は、寿町の住民と対話した上で個々人にあわせたファッションコディネートを行い、クリエイターチームで撮影し展覧会、写真集として発表していくものである。丁寧な交流を通して、強度あるアート作品として発信していくことに期待した。

結果、黄金町BASEを「プラットフォームモデルの形成」、ART LAB OVAを「場づくり」、スタジオニブロールを「質の高いアート作品発表」、MADEを「最先端のデザイン&テクノロジーの取り組み」と、街に必要な4つの役割を評価し採択した。また「横浜音祭り」開催年という観点から「音」をテーマとした提案、実績のある団体から横浜で新たな挑戦をする学生の提案まで、キャリアの段階に応じた支援を考慮した。
この中から、2020年に向けた横浜を代表する取り組みが生まれよう、事務局である横浜市芸術文化振興財団、それを所管する横浜市文化観光局が伴走し、クリエイティブ・インクルージョンの概念と共に社会に広めていくことを望む。

審査員:野村誠、栗栖良依、伊藤剛、萩原昌子、岡崎智美

報告書

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