「芸術文化と社会のための中間支援」を趣旨とするアーツコミッション・ヨコハマ事業(以下ACY)。横浜市の文化芸術創造都市施策の取組の一つとして2007年7月にはじまり、2022年に15周年を迎えます。これを記念してプロモーション展を開催します。
日本全体が少子化・高齢化社会における「成熟の時代」へとシフトしていくなかで、横浜も大きな転換点を迎えています。ACY15周年というタイミングで、「創造の担い手=クリエイター」の振る舞いが街にどのように作用してきたかを振り返ると、不確実な時代において横浜の未来を描くヒントになるかもしれないと考えました。港町・横浜ならではの歴史、文化、風土といった環境に『創造性』がインストールされたことにより生まれた様々な風景。それを「ビジュアルブレインストーミング」というコンセプトで、パネル展示します。あなたが横浜と思う風景にぜひご投票ください。
この展示を通じて、これからの町のこと芸術文化のことを一緒に考える機会にしていきたいです。皆様のご来場をお待ちしています。
日 時:2022年7月21日(木)~8月12日(金) 7:00~23:30(横浜市庁舎開館時間に準じる)※最終日は17:00まで
会 場:横浜市庁舎2階 スペースC(横浜銀行右隣壁)
参加費:無料
主 催:アーツコミッション・ヨコハマ(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
共 催:横浜市文化観光局
【会場までのアクセス】
横浜市庁舎2階(横浜市中区本町6丁目50番地の10)
・みなとみらい線「馬車道」駅下車、1C出入口直結
・JR「桜木町」駅下車、「新南口」徒歩約3分
・市営地下鉄「桜木町」駅下車、「1口」から徒歩約3分
詳しくはこちら。
https://www.city.yokohama.lg.jp/shichosha/iten.html
【展示にあたって】
「芸術」や「文化」と聞くと「曖昧でよくわからないもの」と感じる人も多いかもしれませんが、実はクリエイターの創作は、その「曖昧でよくわからないもの」に形を与えることと言えます。それはもちろん絶対的な正解というわけでもありません。だから「よくわからないもの」という印象を与えるのですが、とはいえ一旦形にすることで、たくさんの人に共有することができ、想像力を喚起することができます。
また、「地域社会」は、環境、経済、福祉、医療、教育・・・などたくさんの要素で成り立っています。クリエイティブが街にインストールされたことで、横浜にどのような変化が起こってきたか。それを正確に捉えるには、行政施策や都市計画などの大きな視点から、小商いや市民生活の小さな視点まで、すべての視点が重要になります。
今回は、アーツコミッション・ヨコハマの日頃の活動が街場にあることを見せるために、クリエイターの作品や商品を中心に、それぞれの活動を鳥瞰ではないヒューマンスケールの視点で切りとり、壁面を構成。建築、美術、グラフィックデザインといったコンテンツ分野ごとに並べたり、年代やジャンルでまとめたりしないで展示します。それにより、「横浜×クリエイター」をある程度、客観的にフラットな視点で見渡せると考えました。
新しい時代が来て(もうとっくに来てる?)、今までとは違う価値基準が必要になった時には、「豊かさとは何か」を図る横浜ならではの多様な“ものさし”が必要になると思っています。それは377万人の市民全員が人それぞれ持っている“ものさし”です。今回の、市役所壁面で行う大きなビジュアルブレストを通じて、横浜が向かうべき未来像が見えてくるかもしれないし、見えてこないかもしれない。でも、横浜の横浜らしさについてみんなでいっしょに考える機会にしたいです。
展示ディレクション
Studio Nibroll 矢内原充志