募集終了 2024年度 ACYアーティスト・フェローシップ助成

2024年度 ACYアーティスト・フェローシップ助成

アーツコミッション・ヨコハマ(略称:ACY、運営:公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)では、2024年度のアーティスト・フェローシップ助成の募集を実施します。申請方法など、ご不明な点についてはお気軽にご相談ください。

【助成趣旨】

本プログラムは、アーティストの創作、発表によるキャリア形成を支援するものです。資金使途は年間個人活動に応じて自由に提案できますが、活動の一環として横浜各地での短期滞在が必要となります。

ACYは、アーティストにとって、横浜の風土、歴史、文化を調べることや、滞在を通じて人々と会話を交わし、触れ合うことが、作品の成熟や創作アイデアの発見などにおいて良い影響をもたらすと考えています。本プログラムにて、都市・横浜の環境を応用し、卓越性ならびに文化的多様性を有する芸術的価値を追求してください。そのアーティストの行動が、芸術に関心のない方が地域の身近な場所で芸術に関わるきっかけとなり、ささやかでも何かしらの変化を起こすよう期待します。

このプログラムを通じて、アーティストは、必要な資金やネットワーク、新しい表現や活動の場所の獲得し、自身のキャリアアップを目指します。また、ACYは横浜各地において人を惹きつける新たな価値創造を目指し、地域の文化の多層化と複合化に取り組みます。

日々新しい表現を追求し、構想を磨き、創作活動にはげむアーティストを対象とします。地域に開いたユニークな活動をするコミュニティ拠点に、自らの表現を追求するアーティストが入りこむことで起きる予測不可能な化学反応を一緒に楽しみましょう。

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この記事のURL:https://acy.yafjp.org/grants/2024/93029/

募集要項

1.  概要

【対象となる方】
趣旨にある活動を行い、かつ、以下の条件をすべて満たすアーティスト個人
・美術、舞台芸術の分野において活動するアーティスト
・過去のACYによる助成プログラムにおいて、申請者として採択されたことがないこと

 

【ご提案いただく内容】
下記すべてを含むキャリアアップにつながるリサーチや滞在制作、作品発表など、対象期間における創作活動。申請書(様式1)にてご提案ください。
①対象となる期間を通じた創作活動
②ACYが指定する横浜市内の拠点での滞在(最短6泊7日)
 滞在拠点は、申請内容に応じて、ACYがマッチングを行います。
③地域住民と交流する活動(公演、展覧会、試演会、ワークショップ、トークイベントなど)
 滞在拠点の近隣にて実施してください。実施にあたっては、ACYおよび滞在拠点と調整のうえ、会場を選定し、
 ACYが運営をサポートします。

 

【対象となる活動期間】
2024年6月1日から2025年2月末日まで

 

【助成額】
1,000,000(定額)
・助成金支出計画書にて、使用用途を明記してください。
・助成額には、滞在拠点の施設利用料、レジデンス料、地域住民と交流する活動の費用を含みます。
・助成金支出計画書では、施設利用料およびレジデンス料は8,000円/1日で計上してください。
 ※実際の施設利用料およびレジデンス料は拠点によって変動します
・助成期間終了後に請求根拠書類(領収書や請求書等)を提出していただきます。
 ※請求書および使途を明記した前払金申請書を提出することで、最大80%の前払いが可能。

(対象経費:例) 出演料、企画料、調査研究費(宿泊費・交通費含む)、作品制作にかかる資材費・機材費、滞在拠点の施設利用費、滞在拠点のレジデンス費、会場使用費、印刷費、郵送費、保険料など事務費、著作権料、発表等の当日運営費、その他制作活動にあたって必要な経費として認められるもの
(助成対象外経費)交際費、接待費、飲食費、諸給与、事務所維持費、生活費

【サポート内容】
採択者へは、ACYが下記のサポートを行います。
・相談、情報提供
・ACYの持つ人的ネットワークの活用
・滞在拠点における活動の支援
・ACY HP等、財団が持つ広報ツールを活用した広報協力
・滞在の様子や展示・公演風景、レビュー等を掲載した記録冊子の作成・謹呈

 

  1. 2. 滞在について

【滞在日程】
・2024年6月上旬~2025年2月下旬の期間内でACYが指定する拠点に、連続する6泊7日以上滞在してください。
・6泊7日を超えての滞在を希望する場合は、連続した期間でなく、分割しての滞在も可能です。
分割する場合でも、一度は連続する6泊7日以上を満たす必要があります。
・通える範囲にお住まいでも、上記の条件は変わりません。
・申請書(様式1)「3-1対象期間中の活動計画」に滞在希望日程を記載してください。
・実際の滞在日程は採択決定後、ACY・滞在拠点と調整のうえ決定いたします。申請時のご希望に添えない可能性もあります。

 

【滞在生活】
・ACYスタッフおよび滞在拠点スタッフが滞在をサポートします。
・原則、滞在拠点もしくは付近の施設にてレジデンスしていただきます。
・レジデンス手配はACYが行い、施設利用料およびレジデンス料は採択者が支払います。
・滞在期間中の保険は採択者の責任において負担・加入していただきます。

 

【滞在拠点】
左近山アトリエ131110
(横浜市旭区左近山16-1 左近山団地1-31-110)

撮影:菅原康太

大規模団地、左近山団地内ショッピングセンターの店舗を活用したアート拠点。ギャラリー・ワークショップ・カフェなど、屋外の広場とも連携し様々な活動を展開している。

 

アートスタジオ アイムヒア
(横浜市南区弘明寺町259 GM2ビル2階)

撮影:渡辺篤

アイムヒア プロジェクトと株式会社泰有社の共同運営によるオルタナティヴスペース。さまざまな展覧会/イベント/レジデンスプログラム等を実施している。

 

ARUNŌ -Yokohama Shinohara-
(横浜市港北区篠原町1410)

撮影:大野隆介

新横浜駅近くの旧横浜篠原郵便局を活用した文化複合拠点。「未知への窓口」をコンセプトにしたシェアスペースやカフェ、ポップアップテナント等からなる施設。

 

Murasaki Penguin Project Totsuka
(横浜市戸塚区戸塚町4247-21地下1階)

撮影:堀越圭晋(エスエス)

2022年9月にオープンしたパフォーミングアーツとマルチメディアアートの新しい拠点。ダンスや演劇、音楽、映画など、さまざまな形態の作品発表が可能。

 

Co-coya
(横浜市緑区中山5-9-1)

撮影:大野隆介

空き家をリノベーションした職住一体型の地域ステーション。土壁や漆喰、草屋根など自然を感じさせる改装手法が活かされ、多種多様な活動が繰り広げられている。

 

  1. 3. 選考について

【選考方法】
専門家による助成審査会を設置し、書類および面談選考を行います。一次選考通過者のみ、二次選考を実施します。一次選考の結果は、一次選考通過者にのみ2024年5月9日までに電子メールにて連絡します。

一次選考:書類選考
二次選考:面談選考(開催日:2024年5月18日 午後)※オンライン会議システムでの実施を予定
※面談選考は、展覧会や公演の本番などのやむを得ない場合を除き、原則ご参加ください。

選考結果は、採択・不採択に関わらず、2024年5月下旬ごろ、すべての申請者に電子メールにてご連絡します。

 

【審査員 (五十音順)】
天野 太郎(東京オペラシティアートギャラリー チーフ・キュレーター)
岡本 純子(公益財団法人セゾン文化財団 シニア・プログラム・オフィサー)
野上 絹代(振付家・演出家、多摩美術大学美術学部演劇舞踊デザイン学科専任講師)
長谷川 新(インディペンデントキュレーター)
藤原 徹平(フジワラテッペイアーキテクツラボ代表、横浜国立大学大学院Y-GSA准教授)

 

【選考のポイント】
① 助成趣旨を理解した提案になっているか。
② 芸術としての手法や形態、また思想や題材等、優れた発想や独自性を有しているか。
③ 横浜で滞在をしながら創作または発表することの意義を有しているか。
④ 計画および資金使途が明確であり、活動規模やスケジュールが適切か。

 

  1. 4. 申請について

【申請締切】
2024年4月9日(火)23時59分必着

 

【申請方法】
以下の提出書類を、電子メールにて、申請アドレス(acy_grants@yaf.or.jp)までお送りください。申請書(様式1)はウェブサイト(https://acy.yafjp.org/grants/2024/93029/)からダウンロードいただけます。
※メールの件名を「ACY アーティスト・フェローシップ助成 申請」としてください。
※メール本文に①申請者名 ②電話番号を明記してください。
※メール送信後、一週間以内に事務局から返信がない場合は、必ずご連絡ください。事務局からの返信メールがない申請は、審査いたしません。
※データサイズが大きい場合(目安として5MB以上)は、ファイル添付でなく、
安全性が確保できるオンラインストレージ等をご活用ください。

 

【提出書類】
① 申請書(様式1)
 ※エクセル形式でご提出ください。(ロック等かけないでください)
 ※「助成報告書」以外のシートをすべてご記入ください。
②ポートフォリオ(活動内容がわかる画像を含む)
 ※舞台芸術分野での応募は、最近の主要な作品の映像資料1つを含む
 ※映像は、データではなく動画共有サイト(youtube、vimeo等)のリンクにて提出
 ※15P以内、20MB以内に収めること
③申請者の顔写真1点
 ※採択時、広報資料としても使用します。クレジットがある場合は合わせてお知らせください。(和/英併記)
④自作について新聞、雑誌、ウェブサイトなどで第三者から批評されたもの(任意提出)
 ※15P以内、20MB以内に収めること

 

【説明会】
本プログラムについての説明会を下記日程にて開催します。募集要項の説明や、特徴・仕組み、滞在拠点についてお話いたします
・開催日時
 第1回:2024年3月13日18時30分~19時30分 ※終了しました
 第2回:2024年3月27日18時30分~19時30分 ※終了しました
・開催方法
 Zoomミーティングによるオンライン開催を予定しています。
・申込方法
 申込フォーム( https://forms.gle/8j2MY5s5nVh6Qqkh8 )よりお申込みください。
 ※各回とも、開催の1時間前までにお申し込みください。

 

5. 採択決定後の条件

(1) 採択決定後、速やかな年間活動計画書および助成金支出計画書の策定・提出。提出後に活動内容に変更が生じた場合は、変更後の内容で再度提出すること。
(2) ACYが指定する横浜市内の拠点で滞在すること、また地域住民と交流する活動を行うこと。
(3) 地域住民と交流する活動を行う際、ACYの指定する広報物を配布すること。
(4) 助成対象活動として、有料の展覧会や公演等を実施する場合、無償視察枠として市内発表は最大10名分、市外発表は最大3名分提供すること。
(5) 助成年度の年度末に開催する報告会での活動プレゼンテーションを実施すること。
(6) 助成対象活動での「助成 アーツコミッション・ヨコハマ」の表記およびACYロゴマークを掲出すること。
(7) プロフィールに「2024年度 ACYアーティスト・フェロー」と記載すること。
 ※ただし、字数制限などによって難しい場合はこの限りではありません
(8) ACYが実施する調査および情報発信等へ協力すること。

 

6. 報告書の提出
採択者は、2025年3月10日までに、報告書(様式1)及び助成対象経費に関わる領収書等を添付した収支決算書を提出いただきます。

 

7. 留意事項
申請にあたっては、ACYアーティスト・フェローシップ助成 交付要綱を必ずご一読ください。
本助成では、助成対象期間中はアーティスト活動に専念することを前提としています。やむを得ない事情により、助成対象期間中にアーティスト活動を休止または停止したり、採択決定後の条件を遂行できなくなった場合は直ちに報告してください。助成金の一部または全額を返還していただく場合があります。
(1) 助成金は、交際費、接待費、飲食費、諸給与・事務所維持費、生活費への使用はできません。
(2) 天災地変その他やむを得ない事情によって、予定された申請活動が遂行できなくなった場合、採択決定における内容および条件を変更する場合があります。
(3) 次のいずれかに該当する経費は交付対象外となります。
 ①本助成要綱による助成金のほかに横浜市から補助金又は助成金の交付を受けるもの
 ②政治的又は宗教的普及宣伝と認められる活動をするもの
 ③支出以上の収入が見込める活動をするもの
 ④公序良俗に反する恐れがある活動をするもの
(4) 次に該当する人の申請書は受理しません。
 ①暴力団員等
 (暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第2号に規定する暴力団をいう。)
 ②市税及び横浜市に対する債務の支払い等の滞納がある方
 ③提出書類に不備がある方

 

■お問い合わせ

アーツコミッション・ヨコハマ 助成受付係
〒231-0023 横浜市中区山下町2
電話:045-221-0212 E-MAIL:acy@yaf.or.jp
受付時間 9:00~17:00 ※平日のみ

■審査員プロフィール ※五十音順

 

天野太郎(東京オペラシティアートギャラリー チーフ・キュレーター)
2022年より現職。美術評論家連盟所属。昭和女子大学、城西国際大学非常勤講師。主な担当展覧会に、横浜美術館での「ルイーズ・ブルジョワ展」(1997年)、「奈良美智展 I DON’T MIND, IF YOU FORGET ME.」展(2001年)、横浜市民ギャラリーあざみ野での「考えたときには、もう目の前にはない 石川竜一」(2016年)、「今井俊介 スカートと風景」(2023)などがある。「横浜トリエンナーレ2005」キュレーター、同トリエンナーレ2011、2014キュレトリアル・ヘッド、「札幌国際芸術祭2020」統括ディレクターを務めた。

 

岡本純子(公益財団法人セゾン文化財団 シニア・プログラム・オフィサー)
美術大学卒業後にコマーシャルギャラリーに就職。非営利団体での芸術に関わる仕事、若いアーティストとの関わりを求め、セゾン文化財団に転職。プログラム・オフィサーとして、アーティスト支援や、舞台芸術の環境改善事業支援に携わってきている。
2017-2023年度、「横浜市創造界隈形成推進委員会」委員。飼っていた猫、地域猫と親しむうち、猫の役に立ちたいと思うようになり、「横浜市動物適正飼育推進員」も務めている。

 

野上絹代(振付家・演出家、多摩美術大学美術学部演劇舞踊デザイン学科専任講師)
1982年東京生まれ。多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科卒業。幼少期よりクラシックバレエ、高校から振付け活動を開始。 大学在学中、劇団快快(FAIFAI)に旗揚公演より加入。以降、俳優・振付家として同団体の国内外における活動のほとんどに参加。ソロ活動では俳優・振付に加え演出力を武器に演劇/ダンス/映像/ファッションショーなど幅広く活動。

 

長谷川新(インディペンデントキュレーター)
主な企画に「クロニクル、クロニクル!」、「不純物と免疫」、「αM Project 2020-2021 約束の凝集」、「奈良・町家の芸術祭 はならぁと2023 宇陀松山エリア SEASON2」、「陸路(スピルオーバー#1)」など。Tokyo Art Beatにて「イザナギと呼ばれた時代の美術」を不定期連載中。共訳にジュリア・ブライアン=ウィルソン著『アートワーカーズーー制作と労働をめぐる芸術家たちの社会実践』(フィルムアート社、2024)がある。

 

藤原徹平(フジワラテッペイアーキテクツラボ代表、横浜国立大学大学院Y-GSA准教授)
建築のデザインだけでなく、アートフェスティバルの企画や基本構想、地域産業の再生、まちづくりや教育プログラムの企画など横断的に地域の暮らしのデザインに取り組む。主な作品に<等々力の二重円環>、<代々木テラス>、<稲村の森の家>、<クルックフィールズ>、<那須塩原市まちなか交流センター くるる>、<リボーンアートフェスティバル2016,2017,2019>、<横浜トリエンナーレ2017>など。2013年より宇部ビエンナーレ選考委員、展示委員を務める。著書に『7inch Project〈#01〉Teppei Fujiwara』など。主な受賞に横浜文化賞 文化・芸術奨励賞、日本建築学会作品選集 新人賞、日本建築士会連合賞奨励賞、東京都建築士会住宅建築賞など。

申請書類

申請書(様式1)

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Excelが使用できない場合は、事務局までご連絡ください。

交付要綱

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よくある質問

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採択対象

鎌田 友介

新規

美術家。歴史や社会の状況を反映するとともに、国家の文化やアイデンティティ形成のツールにもなる建築をテーマに美術と建築を横断する活動を続ける。近年は日本占領下の韓国や台湾で作られた日本家屋やアメリカ合衆国で焼夷弾実験のために作られた日本村の設計などの調査を通し、異なる歴史的背景と場所において日本家屋が孕んだ多様な意味を描き出すプロジェクトを手がける。近年の主な展覧会に「Geopoetics: Changing Nature of Threatened Worlds」(国立台湾美術館、2023年)、「ホーム・スイート・ホーム」(国立国際美術館、2023年)など。

工藤 春香

新規

アーティスト。東京都生まれ。社会的な課題へのリサーチを基に、社会の周縁におかれる立場の人々への想像から、テキストやオブジェ、映像を組み合わせたインスタレーションを制作している。コレクティブ「ひととひと」メンバー。主な展示に、障害者政策と当事者運動の100年の歴史を取り扱った「MOTアニュアル2022私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」(東京都現代美術館、2022年)、「ひととひと」企画展「女が5人集まれば皿が割れる」(北千住Buoy、2021年)

敷地 理

新規

振付家、ダンサー。ベルギーと日本を拠点に活動。外側から自分を見ることができない中、自分に最も近い物質で構成された他者の身体を見ることを通じて、どの様により強い現実感を捉えられるかに興味を持つ。その過程において、まなざしの政治性、暴力性に注目しながら人間の身体に対するあらゆる識別方法を曖昧にし、一時的に作り変えることに関心を抱いている。

永田 康祐

新規

1990年愛知県生まれ、神奈川県を拠点に活動。自己と他者、自然と文化、身体と環境といった近代的な思考を支える二項対立、またそこに潜む曖昧さに関心をもち、写真や映像、インスタレーションなどを制作している。近年は、食文化におけるナショナル・アイデンティティの形成や、食事作法における身体技法や権力関係、食料生産における動植物の生の管理といった問題についてビデオエッセイやコース料理形式のパフォーマンスを発表している。

野村 眞人

新規

演出家。レトロニムのメンバー。京都を拠点に演劇に取り組んでいる。人・場所・環境の現実的な関係に演劇を引用し、アクチュアルなフィクションに再構築する。近年は、青森県津軽地方での墓にまつわるフィールドワークや、精神医療従事者や高齢者福祉施設での聞き取り等をベースとした作品・プロジェクトに取り組んでいる。また、俳優として村川拓也作品、庭劇団ペニノなどにも参加。利賀演劇人コンクール2018優秀演出家賞受賞。「部屋と演劇」のメンバーでもある。

助成評価

2024年度 ACYアーティスト・フェローシップ 申請状況について

本助成は、アーティストを育成し、そのキャリアアップを支援するための助成制度として2016年度より始まり、制度名称・内容を変更しながら9回目の募集となる。日々新しい表現を追求し、構想を磨き、創作活動にはげむアーティストを対象とし、必要な資金やネットワーク、新しい表現や活動の場所の獲得など、アーツコミッション・ヨコハマの伴走的支援を通じ、自身のキャリアアップを目指すための支援プログラムである。

2023年度に更新した本助成プログラムの特徴の一つとして、「横浜市内の拠点での滞在および活動の実施」がある。横浜の風土、歴史、文化を調べることや、滞在を通じて地域の人々と会話を交わし、触れ合うことが、作品の成熟や創作アイデアの発見などにおいて良い影響をもたらすのではないか、という考えのもとで設定をしており、数多くの申請者がこれに応答する、横浜の環境を活用・応用するような提案をされた。日本各地また海外からの申請も多く、様々な都市からの横浜へのまなざしは興味深いものばかりで、横浜の創造環境の可能性を感じさせた。
【所在地別分布:横浜市19件、市外神奈川県12件、東京都31件、その他関東地方9件、北海道2件、東北地方2件、中部地方10件、近畿地方11件、中国地方1件、九州地方3件、海外8件】

過去、若手アーティストの支援を目的とし、年齢制限を設けていたが、2023年度からは年齢制限を撤廃している。その結果、【20代18件、30代47件、40代32件、50代9件、60歳以上2件】と幅広い年齢層からの申請があった。若手だけでなく、中堅・ベテランのアーティストからの申請も多く、支援を必要とするタイミングが、年齢だけではなく、さまざまな要因から判断されるものであるということを認識する結果となった。

今年度は110件の申請が寄せられた。(分野内訳:美術72件・舞台芸術36件・書類不備2件 ※分野は申請者の申告による)審査員による一次選考(書類選考)と二次選考(面談選考)を経て5件を採択としたが、ごく限られた人数しか採択できないこと、アート・プロジェクトや公演などの多数の関係者を巻き込むような多様な形式が想定されるなかで限られた金額しか助成できないこと、が今後の課題と考えている。

審査会は、5名の有識者による審査員で構成され、選考にあたっては、下記の審査基準(4つの評価項目)にて、書類・面談を通じた採点を基準に合議のもと選出した。

審査基準
【趣旨理解】助成趣旨を理解した提案になっているか。
【独自性】芸術としての手法や形態、また思想や題材等、優れた発想や独自性を有しているか。
【横浜での意義】横浜で滞在をしながら創作または発表することの意義を有しているか。
【実現性】計画および資金使途が明確であり、活動規模やスケジュールが適切か。

審査員(敬称略/五十音順)
天野 太郎(東京オペラシティアートギャラリー チーフ・キュレーター)
岡本 純子(公益財団法人セゾン文化財団 シニア・プログラム・オフィサー)
野上 絹代(振付家・演出家、多摩美術大学美術学部演劇舞踊デザイン学科専任講師)
長谷川 新(インディペンデントキュレーター)
藤原 徹平(フジワラテッペイアーキテクツラボ代表、横浜国立大学大学院Y-GSA准教授)

報告書

審査員総評

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