募集終了 2021年度 クリエイティブ・インクルージョン活動助成

2021年度 クリエイティブ・インクルージョン活動助成

【助成趣旨】

アーツコミッション・ヨコハマ(略称:ACY、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団運営)は、横浜市文化観光局が掲げる、誰もが互いに尊重し、支えあう共生社会の実現を目指す「クリエイティブ・インクルージョン」の理念に基づき、同助成制度を実施します。

「クリエイティブ・インクルージョン」とは、これまでの横浜市の文化芸術の創造性を活かしたまちづくりを踏まえ、障害・人種・国籍・宗教・年齢・性別等の様々な違いを超えて創造的に課題解決を図るとともに、誰もが対等な関係で関わり合い、社会や組織に参画するという考え方です。

本助成制度では、「クリエイティブ・インクルージョン」の考え方の中から、特にアーティスト、クリエイター等が行う「社会包摂の視点を有しながら現代の表現を追求していく活動」に助成をしていきます。

今後、ますます多様化する社会。アーツコミッション・ヨコハマは、アーティスト、クリエイター等が持つ包摂性の解釈、独自の視点(まなざし)に注目しています。また、今年度は現代の社会状況を鑑み、芸術文化活動をとおして社会やコミュニティとの新しい関わりを持続的に高めることを目標に、社会環境に照らしたプロジェクトの考え方をご提案いただきます。本助成では、芸術と社会の関係を問い、社会の変化を意識しながら個人の表現を追求するアーティスト、クリエイター等を支援します。そして、そのことが市内および国内外に広く伝わることを期待します。


「クリエイティブ・インクルージョン」とは、これまでの横浜市の文化芸術の創造性を活かしたまちづくりを踏まえ、障害・人種・国籍・宗教・年齢・性別等の様々な違いを超えて創造的に課題解決を図るとともに、誰もが対等な関係で関わり合い、社会や組織に参画するという考え方です。


(注意事項)本制度は、3月に開催される横浜市会、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団理事会による承認をもって正式に予算が確定するものです。

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この記事のURL:https://acy.yafjp.org/grants/2021/57748/

募集要項

 

■対象

(1)対象者
上記趣旨で活動を行う個人、団体。

(2)実施内容
上記趣旨に合う内容で、自由にご提案ください。

(3)実施場所
原則として横浜市内。
(活動の一部について海外を含む市外で発表する際は、その経費を認めるか否かを審査で検討しますので、その旨を記載してください。)

(4)対象期間
2021年4月1日~2022年2月28日に実施されるもの
*原則、上記内に執行された経費を認めます。但し、助成応募締切日前に完了する活動は認めません。
*申請される活動が中長期にわたる場合は、上記期間中に行われるものを対象とします。

(5)その他
横浜市及び横浜市が出資する公的団体が「主催(委託含む)」、「助成金を交付」する事業は、対象になりません。(例:主催として各指定管理施設、創造界隈拠点などが入るもの。)但し、「共催」「協力」「後援」等で、市関連予算が交付されていない場合は、対象になります。


■助成金額

上限200万円/年 *申請金額を決めて応募してください。
(対象経費のACY助成率:初申請の場合、制限なし。継続申請の場合、総予算の1/2以内)
※助成金の額は、事業予算の範囲内で決定されます。また、審査の結果が助成金の額に反映されるため申請した助成金額が満額交付されるとは限りません。

*交付対象者は助成金前払の申請と請求書を提出することで、交付決定額の最大80%の前払いを受けることができます。

*以下を助成対象経費とします。
出演料、企画料、デザイン料、制作費、会場使用費、印刷費、郵送費、保険料など事務費、著作権料、発表等の当日運営費、その他制作活動にあたって必要な経費と認められるもの

*以下を助成対象外経費とします。
交際費、接待費、飲食費、諸給与、事務所維持費、生活費


■審査・評価

(1)審査の方法 ※4/16追記
専門家からなる審査会にて選考します。
専門家からなる審査会にて書類(1次)及び面談(2次※一次選考通過者のみ)の選考を行います。
面談日時は、申請締切日より前に決定してウェブサイト上に通知します。
面談日時:2021年5月14日(金)10:00~12:00の時間帯にて(予定)
面談場所:オンライン会議システムを使用予定

(2)審査員(五十音順)

●岡崎智美(横浜市民ギャラリーあざみ野 主任エデュケーター)
●こくぼひろし(ひとしずく株式会社 代表)
●曽我部昌史(建築家)
●野崎美樹(NPO法人スローレーベル インクルーシブ・プロジェクトマネージャー)

(3)審査項目

●先駆性:芸術や取組みとして先駆けた活動であるか。
●弾力性:思考や行動などが、環境や状況の変化に応じて柔軟に対応できるか。
●持続性:自らの持続可能性と社会の持続可能性が繋がり、継続していける活動か。
●多様性:都市の多様性を理解した活動か。
●実現性:企画、体制、場所の確保、予算、スケジュールの妥当性と進行管理能力があるか。
●影響力:将来的に社会へのインパクトを与える期待がもてるか。

【参考】
事務局では、本助成の趣旨(クリエイティブ・インクルージョン)を達成するためには、事業段階において、発表段階(アウトプット)と同様に過程段階(プロセス)の仕組み、工夫が重要と考えています。申請段階で、その点がわかるように記入してください。

(4)評価の方法
①過程段階において中間報告会、②発表段階において事務局及び専門家による発表の視察、報告会、報告書にて評価します。

■現代の社会環境への適応

審査項目とは別に、芸術文化活動をとおして社会やコミュニティとの新しい関わりを持続的に高めることを目標とした「社会と接続性を高めるためのテーマ/通称:コネクティングテーマ」を設定しました。以下の3つの項目に対して申請プロジェクトではどのような考えをもち、行動をとるのか記載してください。(詳しくは様式1-2の補足をご覧ください)

●社会における物理的距離、精神的距離の解釈について
●プロジェクトにおけるデジタル通信技術の活用についての考え方
●プロジェクト関係者、参加者における平等性の考え方


■申請

(1)申請者
クリエイティブ・インクルージョンの趣旨に則り、横浜市内で活動する法人、団体、個人

(2)スケジュール
申請締切   2021年4月19日(月)23:59まで ※4/16追記(交付決定通知 2021年5月下旬予定)
(電子メールを受信したメールソースの表示時刻に準じます。)

(3)申請方法
所定の申請書に必要事項を記入し、以下の書類を添えて、データにてご提出ください。
※申請書はウェブサイトからダウンロードしてください。

【提出書類】
①申請書(申請者略歴、企画書、予算書、チーム体制、スケジュール等)(様式1)
②現代の社会環境への適応について(様式1-2)
現段階で検討している、「社会と接続性を高めるためのテーマ/通称:コネクティングテーマ」に
ついてのプロジェクトでの考え方を記載してください。
③法人・団体(任意団体含む)の場合は定款、役員名簿、決算書を添付。(様式なし)
④その他、本企画に関わる添付資料(過去の実績など)(様式なし)


■申請書類の提出先・お問合せ先

電子メールにて、メールアドレス(acy@yaf.or.jp)までお送りください。
メールの件名を「クリエイティブ・インクルージョン活動助成申請」としてください。
メール本文に①申請者団体名もしくは個人名 ②担当者名 ③申請事業名 ④電話番号を明記してください。

※メール送信後、一週間以内に事務局から返信がなかった場合は、必ずご連絡ください。事務局からの受取に関する返信メールがなかった申請は、審査いたしません。
※メールでの資料の送付は容量が大きい場合(目安として5M以上)は、メールへの添付ではなく、安全性が確保できるファイル転送サービスで送付ください。


■申請、連絡、打合せの方法について

本助成は、事務手続き上、日本語を書面に記しての申請が前提となります。また、採択後、事務局と電話、メール、対面等でコミュニケーションが必要となります。
申請までは、どなた様でも応募できるように、事務局で出来る限りのお手伝いをしますので、何でもお気軽にご相談ください。メール、電話、来館、どのような形でも結構です。
また、交付決定後の連絡や打合せの方法は、交付者に応じて決めます。


■助成採択後の義務

(1)ロゴの掲示
助成交付した活動に係って発行するメディアに「助成 アーツコミッション・ヨコハマ」の表記とロゴマークの掲示をすること。

(2)書類の提出
事業終了後1ヶ月以内に指定の様式の報告書、決算書に領収書等を添付し、提出すること。

(3)各種ミーティングへの出席
交付された個人、団体の申請代表者および実施責任者は、アーツコミッション・ヨコハマが招集する会議に出席すること。

(4)視察への協力
発表の際、審査員及び関係者への無償視察の枠を最大10名分提供すること(但し、定員が極少数の取組の場合は、別途視察会等での対応とします。)

(5)各年度末に開催する助成報告会にて活動報告のプレゼンテーションを実施すること。また、助成報告書を提出すること。

(6)調査への協力
アーツコミッション・ヨコハマが実施する本助成に関わる調査に協力すること。


■留意事項

□天災地変その他やむを得ない事情によって、予定された活動が遂行できなくなった場合は、交付決定における内容および条件を変更する場合があります。

□次のいずれかに該当する経費は交付対象外となります。
①本助成要綱による助成金のほかに横浜市から補助金又は助成金の交付を受けるもの
②政治的又は宗教的普及宣伝と認められる活動をするもの
③支出以上の収入が見込める活動をするもの
④公序良俗に反する恐れがある活動をするもの

□次に該当する人は申請できません。
①暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第2号に規定する暴力団をいう。)
②市税及び横浜市に対する債務の支払い等の滞納がある方


■お問い合わせ先

アーツコミッション・ヨコハマ 助成受付係
〒231-0023 横浜市中区山下町2
電話:045-221-0212 E-MAIL:acy@yaf.or.jp
受付時間 9:00~17:00 ※平日のみ

申請書類

交付申請書(様式1)

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Excelが使用できない場合は、事務局までご連絡ください。

交付申請書(様式1-2)

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Excelが使用できない場合は、事務局までご連絡ください。

交付要綱

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採択事業

シュワー・シュワー・アワーズ

新規

手話マップ (代表:木下 知威)

横浜を拠点に活動する手話マップ(代表・木下氏)は、 2019 年から文化施設における情報保障の取り組みを SNS で発信し、ろう者や難聴者など耳の聞こえにくい方々に美術の面白さを伝えるための環境づくりを進めてきた。今回は、横浜市民ギャラリーで開催される展覧会を対象に、オンデマンド配信による展覧会の情報提供と、対話型鑑賞プログラムの2つを柱にした「シュワー・シュワー・アワーズ」を実施。このプロジェクトは、当事者によって企画され、ろう者・難聴者が周囲の人々とともに対話できることを目的にし ている。この取り組みが、日本各地の文化施設に広がることを目指 す 。
横浜在住の映画監督の関口氏は、これまで自身の母を主役とし、その介護の日々を「 毎日がアルツハイマー 」 という 3 作品として製作してきた。今回は、英国発の認知症ケア「パーソン・センタード・ケア」にフォーカスし、 「 毎日がアルツハイマー総集編 」 として 30 分程度の短編作品を製作する。また、完成した短編を講演やリモートなどで上映し、それを必要としている人々と双方向性のある議論を展開して、個別に特化したケアのあり方を探ろうとするプロジェクト。
触覚デザイナーで先天性盲ろう者でもある田畑氏(横浜市在)が発見した「触覚のアフォーダンス」を使って、視覚や聴覚に頼りがちな、デザインに触覚という視点を加えるこ とを試みる。触覚を使う豊かさや面白さを、多くの人に広く知ってもらうようなデザインプロジェクト。田畑氏を中心とした 3 名のチームが、様々な分野の人と協働することで展開していく予定のオープンデザインプロジェクト。
横浜を拠点に活動するNPO 法人心魂プロジェクトは舞台に触れられない人に向けてオリジナルミュージカル等様々なパフォーマンスをデリバリーする活動を行っている団体。昨年度に展開した、病児・障がい児・きょうだい児・ご家族へのオンラインパフォーマンスデリバリーをさらに発展させたプロジェクト。昨年度、届けられる方だった子どもたち・ご家族方が「チーム ONE 」として活動を開始。今度は届ける側にまわって、プロのパフォーマーと共にオンラインイベントの開催をする。
横浜を拠点に活動する美術家の竹本氏は、昨年度まで寿町で子どもや地域の人々と一緒に山車を作って祭りをおこなうプロジェクトを実施してきた。今年度も、だれでも参加できる山車制作ワークショップを行いつつも、なぜ祭りをするのか、という原点に立ち返り、寿町の歴史についてリサーチし、寿町内外の子どもたちや地域の人とシェアしていくアートプロジェクト。寿町に関する歴史を再考し共有することで、町内やその周辺の地域で活動する団体との関わりを新たに生み出す。今年度もプロセスを記録し、広く社会に発信する。

助成評価

【総評】

現在、日本社会は少子化・高齢化に起因する、人口減少のなかで、成熟の時代へと向かっています。持続可能な社会の構築に向け、各所で様々な議論や活動が始まり、芸術においても社会との関係性を重視する表現が増えています。
こうしたことを背景に、アーツコミッション・ヨコハマでは、2016年度から横浜市が掲げる「クリエイティブ・インクルージョン*」の趣旨を体現する取り組みを助成制度という形で募集し、発掘、育成、支援していく活動を行っています。

2021年度は、この社会包摂活動に対する機運の高まりに加え、昨年度から続く新型コロナウイルスの影響から、申請件数が47件と昨年度の25件と比すると188%増でした。新型コロナウイルス禍という大変な状況のなかで、前向きにご提案くださった皆様にはこの場を借りて厚く御礼を申し上げます。この申請件数は、アーツコミッション・ヨコハマが実施するもうひとつの制度、U39アーティスト・フェローシップ助成(若手芸術家の支援)と並ぶ結果となり、社会、芸術の成熟とともに本助成への期待も高まってきたことが伺えます。


「クリエイティブ・インクルージョン」とは、これまでの横浜市の文化芸術の創造性を活かしたまちづくりを踏まえ、障害・人種・国籍・宗教・年齢・性別等の様々な違いを超えて創造的に課題解決を図るとともに、誰もが対等な関係で関わり合い、社会や組織に参画するという考え方です。


今年度の特徴としては、パフォーマンス系(演劇、ダンス、音楽等)の公演、またそれをサポートする申請が増えたことが挙げられます。質の高い申請が多数あるなかで、一次審査を通過し二次審査に進んだ申請は9件(継続4件/新規5件)でした。内容としては、パフォーマンス、映画、写真、アクセシビリティの向上、プロダクト開発と多様であると同時に、包摂していく領域の広がりもありました。

優れた提案が数あるなかで、審査員にはクリエイティブ・インクルージョンの広がりやその深まりを実現する活動や作品は何かという点を大切にしながら、公募要項にある6つの審査項目に基づき評価を行っていただきました。どの申請も甲乙つけがたい内容でしたが、厳正な審査の結果、新規3件/継続2件の計5件を採択しました。

■新規申請での採択について:

『シュワ―・シュワ―・アワーズ』(申請者:手話マップ/木下知威氏)は、聴覚障害者への情報保障のみならず、聴者とのコミュニケーションを促進させるアクセシビリティの考え方を評価しました。現状、美術館やギャラリーにおいて不足している取り組みが横浜のみならず、各地に広がるよう発信していって貰いたいです。

『「毎日がアルツハイマー総集編〜認知症ケアにおける パーソン・センタード・ケアとは」製作』(申請者:関口祐加氏)は、これまでの市内で活動されてきた実績の集大成として、深く広く社会に伝えていく取り組みであると評価し、これにより誰もが迎える老い、介護の問題について社会的に必要な議論が広まることを期待しています。

『触角のオープンデザインプロジェクト「HAPTIC OPEN LAB」』(申請者:田畑快二氏)は、インクルーシブデザイン、オープンデザインプラットフォームの手法により、盲ろう当事者だけでなく、多くの人にとって楽しく快適なデザインが実現できる可能性があります。これによって、社会的な広がりが見込めるプロジェクトと評価しました。

新規採択者については、将来の可能性を期待させる若手からの提案を2件採択しました。また、すべて当事者からの申請であったことにも注目しています。これは、各申請者がそれぞれの課題意識についての現状や活動がまだ十分でないと思っているということだと感じています。

■継続申請での採択について:

『コロナにより分断された社会に向けて「難病児・障がい児・きょうだい児・ご家族」がプロパフォーマーと共に行うパフォーマンスの制作及びオンラインイベントの開催』(申請者:特定非営利活動法人心魂プロジェクト)、『寿町で子どもたちと山車まつりをしたいっ』(申請者:竹本真紀氏)は、いずれも申請内容に、前年度からの変化があるかについても重要な点として確認し、活動の発展があることと、前年度の実績から、継続して支援していく意義があると判断しました。

採択された活動は、若手の実験的取り組みから実績十分なものまで幅がありますが、社会包摂に対する考え方のしなやかさや傾聴する姿勢、先進的な企画、また実体験の頻度を評価しています。今後は、アーツコミッション・ヨコハマが伴走しながら、これらの活動を広く社会に発信していきます。

また、今回は残念ながら採択に至らなかった申請も素晴らしい内容のものが多くありましたので、アーツコミッション・ヨコハマへの相談などを通じて、企画をさらに磨き、次年度以降あらためて本助成に申請していただくことを期待しています。

報告書

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