募集終了 2019年度 若手芸術家育成助成 クリエイティブ・チルドレン・フェローシップ

2019年度 若手芸術家育成助成 クリエイティブ・チルドレン・フェローシップ

【助成趣旨】

アーツコミッション・ヨコハマ(略称:ACY 、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団運営)は、横浜市が文化芸術創造都市の一層の推進を図るべく展開するクリエイティブ・チルドレンの理念に基づき、横浜から世界に芸術文化を発信する次世代のアーテ ィストを育成し、そのキャリアアップを支援するための助成制度を2016年度より実施しています。
フェローに選出されると、年間の活動経費の一部に対する助成金および ACY を通じた横浜での活動を中心とした 様々な支援が行われます。アートを通じて社会に新たな価値 を提示し、国内外での活躍を目指す若手アーティストの皆さんからの、チャレンジに満ちたご応募をお待ちしてい ます。申請方法など、ご不明な点についてはお気軽にご相談ください。

 (*)「クリエイティブ・チルドレン」とは
横浜市では、子どもたちの豊かな創造性や感受性を育むとともに、多様で優れた文化芸術を継承・発展させ、創造するために、その担い手となる才能豊かな新進アーティストなど、将来の芸術家の芽を育む取組を推進し、ライフステージに応じた次世代育成(クリエイティブ・チルドレン)を幅広く展開しています。

(注意事項)本制度は、3月に開催される横浜市会、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団理事会による承認をもって正式に予算が確定するものです。

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この記事のURL:https://acy.yafjp.org/grants/2019/17457/

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募集要項

1.対象

【対象者】
以下の条件をすべて満たすアーティスト個人を対象とします。
(1)美術、舞台芸術の分野で継続的かつ 創造的な活動をする美術家、劇作家、演出家、振付家
(2)初回申請年度、2020 年 3 月 31 日時点で 39 歳以下であること。
(※ただし 2018 年 度に助成を受け、再申請する場合にはこの限りではありません。
(3)横浜に在住・在学、もしくは横浜を活動拠点とする人
※2018 年度に横浜市内での活動実績を有し、2019年度に横浜市内での創作活動が行える拠点があること

【助成期間】
2019年4月1日から2020年3月31日まで
※同一申請者の採択は 、計2回(初回を含む連続2か年)の申請 を上限とする。

2.助成内容

【資金支援】
上限 100 万円 /年
※助成金は、採択直後に策定いただく年間活動計画書の受理後、相談に応じて支払日を決定します。
※助成金の額は、事業予算の範囲内で決定されます。また、審査の結果が助成金の額に反映されるため、申請した助成金額が満額交付されるとは限りません。

<対象経費> 
出演料、企画料、調査にかかる費用(宿泊費・交通費含む)、作品制作にかかる資材費・機材費、会場使用費、印刷費、郵送費、保険料など事務費、著作権料、事業当日運営費、その他制作活動にあたって必要な経費として認められるもの
<対象経費外> 
交際費、接待費、飲食費、諸給与、事務所維持費、生活費

【人的支援】
キャリア形成に寄与すべく、フェローとの協議のもと目的に沿った人材のマッチングを行います。また、関係者向けの会合等への参加を促すなど、ネットワーキングを支援します。

【広報支援】
チラシ等広報物の配架、WEBマガジン「創造都市横浜」、ヨコハマ・アートナビなど、財団が持つ広報ツールを活用いただけます。

3.選考について

(1)選考方法
専門家からなる審査会にて書類 および 面談選考を行います。
一次選考:書類選考
面談日時:2019年5月中旬予定(一次選考通過者のみ)
場所:横浜市芸術文化振興財団事務局(横浜市中区山下町2産業貿易センタービル)

(2)選考のポイント

      1. ①発信力:横浜から発信、横浜市内外への影響が期待されるがこと
      1. ②将来性:自身の芸術自身の芸術を広げる・深める活動であり、今後国内外での活躍や発展が期待されること
      1. ③独創性:表現手法や形式および形態、またテーマやコンセプトに優れた発想や独自性を有し、新たな芸術創造が期待されること

④実現性:計画および資金使途が明確であり、活動規模や計画進行が妥当であること

4.申請

(1)申請期間
2019年4月22日(月)必着 ※採択決定予定:2019年5月末日

(2)申請方法
所定の申請書に必要事項を記入し、下記の書類を添えて、データもしくは印刷物にてご提出ください。
※印刷物の場合はホチキス止め不可、ファイリング不可
※提出書類は返却しません。申請書・助成金支出計画書はウェブサイトからダウンロードしてください。

【提出書類】
①申請書・助成金支出計画書
②自作について新聞、雑誌、ウェブサイトなどで第三者から批評されたもの(任意提出)
③簡単なポートフォリオ
※紙で提出の場合A4×5枚以内
※舞台芸術分野で応募の場合は必ず映像としてDVDまたは動画共有サイトのリンクを申請書に指定する方法で提出してください。(DVDはパソコン・DVDプレイヤーで再生可能なもの)
④申請者の顔写真1点
※クレジットがある場合は合わせてお知らせください。(和/英併記)

5.申請書類の提出先・お問合せ先

①データの場合
電子メールにて、メールアドレス(acy@yaf.or.jp)までお送りください。
メールの件名を「文化芸術創造都市・横浜における若手芸術家育成助成申請」としてください。
メール本文に
①申請者団体名もしくは個人名
②担当者名
③申請事業名
④電話番号
を明記してください。
※メール送信後、一週間以内に事務局から返信がなかった場合は、必ずご連絡ください。
※事務局からの受取に関する返信メールがなかった申請は、審査いたしません。

②郵送・持ち込みの場合
【宛名】公益財団法人横浜市芸術文化振興財団 アーツコミッション・ヨコハマ 創造都市横浜における若手芸術家育成助成 係
【住所】〒231-0023 横浜市中区山下町2 産業貿易センタービル1階
TEL 045-221-0212 EMAIL acy@yaf.or.jp←アドレス注意!
【持ち込みの場合の営業時間】平日 9:00~17:00

6.助成交付決定後の義務

(1)交付決定後速やかに年間活動計画書及び助成金支出計画表を策定・提出してください。
(2)年度中間期及び年度末に横浜市都心臨海部で開催する助成報告会にて活動報告のプレゼンテーションを実施してください。また、年度末に助成報告書を提出してください。
(3)ACYが招集する会議等に出席してください。
(4)助成年度期間中に以下のいずれかを実施してください。
・作品の制作、並びに横浜市都心臨海部もしくは海外での発表
※市内発表に際しては、審査員及び関係者への無償視察の枠を10名分提供してください。
・作品集の制作・発信
※ACY事務局等保存分として10部をご提供いただきます。
(5)助成対象経費となる活動が発行するすべてのメディアに「助成 アーツコミッション・ヨコハマ」の表記とACYロゴマークを掲示してください。
(6)アーティストプロフィール「に「2019年アーツコミッション・ヨコハマクリエイティブ・チルドレン・フェローシップ」と記載してください。ただし、字数制限によって難しい場合はこの限りではありません。
(7) ACYが実施する当制度にかかわる調査に協力してください。

7.留意事項

本助成では、助成期間中はアーティスト活動に専念することを前提としています。やむを得ない事情により、助成期間中にアーティスト活動を休止または停止したり、交付決定後の義務を遂行できなくなった場合は、直ちに報告してください。助成金の一部または全額を返還していただく場合があります。
■同一申請者への交付は連続2か年を限度とします。
※但し、年度ごとに申請が必要です。また、審査・交付決定も、年度ごとに行います。
■助成金は、交際費、接待費、飲食費、諸給与・事務所維持費、生活費への使用はできません。
■次のいずれかに該当する経費は交付対象外となります。
①本助成要綱による助成金のほかに横浜市から補助金又は助成金の交付を受けるもの
②政治的又は宗教的普及宣伝と認められる活動をするもの
③支出以上の収入が見込める活動をするもの
④公序良俗に反する恐れがある活動をするもの
■次に該当する人は申請できません。
①暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第22条に規定する暴力団をいう。)
②市税及び横浜市に対する債務の支払い等の滞納がある方

申請書類

申請書(PDF版)

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申請書(WORD版)

ダウンロード

別紙: 支出計画書(PDF版)

ダウンロード

採択対象

神里 雄大

継続

作家、舞台演出家。1982年ペルー生まれ。世界各地を訪ね歩き、出会った人々から聞いた話を元に作品を構成するという執筆スタイルを採用している。2006年「しっぽをつかまれた欲望」(作:パブロ=ピカソ)で利賀演出家コンクール最優秀演出家賞受賞。2018年「バルパライソの長い坂をくだる話」で第62回岸田國士戯曲賞受賞。ヨーロッパやオーストラリアなど海外公演多数。世界各地で戯曲が上演されている。2016年〜2017年まで文化庁新進芸術家海外研修制度研修員としてアルゼンチン・ブエノスアイレスに滞在した。

玄 宇民

継続

アーティスト。東京生まれ。生まれた地を離れた人々のありようと移動の記憶、マイグレーションをテーマに映像作 品を制作。近作は戦前の日本に暮らした韓国人女性飛行士の足取りを俳優と共にたどる『未完の旅路への旅』 (2017)、香港の離島、韓国の済州島を舞台にした『逃島記(とうとうき)』(2019〜)など。2016 年以降ソウル独立映 画祭(韓国)、Taiwan International Video Art Exhibition(台湾)、ディアスポラ映画祭(韓国)で作品上映。東京大 学文学部美学芸術学専修卒業。東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻博士後期課程修了。

高山 玲子

新規

美術家・俳優・体メンテナンス体操講師。京都府出身。俳優として数多くの舞台、映像、パフォーマンス作品に出 演する。また同時に映像作品、各種メディアを用いたパフォーミングアーツ作品の制作を行う。近年では、境界線 (演者/観客・あなた/わたし・あの世/この世)に注視し、これらの見えないラインを、可視化・表象することで起 こりうる認識のズレなど、"人の数だけ答えが違うことをみんなで面白がれること”を主軸とした制作活動を行なう。
作曲家・演出家。1992 年東京都出身。東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科卒業。2013 年に8 人組バンド・東京塩麹を結成。ブレイクビーツとミニマルミュージックを軸としたサウンドで、これまでに 2 枚のアルバムをリリース。2018 年にFUJI ROCK FESTIVAL へ出演。また 2016 年に演劇カンパニー・ヌトミックを結成。スコアのように書かれた上演台本や、音楽的とも評されるセリフ回しを特徴とする。クリエイションの根幹で音楽と演劇を接続し、新たな観客/作品を生み出すことを目標に活動を続けている。
美術家。1994 年生まれ。2017 年東京藝術大学美術学部絵画科(油画専攻)卒業。現在は同大学院 後期博士課程 映像研究科(映像メディア学)に在籍。壁画/絵画とインスタレーションの制作をはじめとして、同世代の制作者を広く集めて編纂する展覧会企画や批評などの活動を行っている。主な展覧会企画に「iphone mural(iPhone の洞窟壁画)」(2016)、「新しい孤独」(2017)、「ソラリスの酒場」(2018)、「孤独の地図」(2018)など。他、参加グループ展多数。「第16回美術手帖芸術評論募集」に≪新しい孤独≫で入選。

本間 メイ

新規

アーティスト。1985 年東京都生まれ。2011 年チェルシー芸術大学大学院ファインアーツ科修了。Back and Forth Collective メンバー。インドネシアと日本の歴史的関係のリサーチを基点に、社会・政治的な問題や多国間における関係性を考察する映像作品やインスタレーションを発表。近年は見過ごされがちな女性に関する歴史を主に扱う。主なグループ展に 2018 年「つぎはぎの“言葉”(字 ことば kata eweawea)」トーキョーアーツアンドスペース本郷、TERATOTERA 祭り 2018 など。

山形 一生

新規

美術家。東京藝術大学大学院美術研究科絵画修了。インターネット以降における美術、および画像流通とその政治性についてを主題に制作と研究を行う。それらと関連した論考として「水色のぷにぷに - ポストインターネットアート」(Massage, 2019- )、「キャラクターの同一化と引き剥がし」(Vindr vol.6, 2018)など。また、主な展示として「MASAMUNE」website, 2018、「Surfin’」情報非公開, 2017 など。主な受賞として 2018 年に「映像作家 100 -NEWAWARDS」にて大賞、2016 年「21th Campus genius award」にて谷口暁彦評価員賞など。

助成評価

【総評】

本助成は、横浜から世界に芸術文化を発信する次世代のアーティストを育成し、そのキャリアアップを支援するための助成制度として2016年度より始まり、今回で4回目の募集となる。

応募状況については、今年度応募件数は51件と、昨年度と同数の申請が寄せられた。
所在地別分布でみると、横浜市27件(53%)、東京都17件、横浜市を除く神奈川県5件、その他地域2件となった。昨年度応募における横浜市在住者41%(21件)と比べて、比重が増加した。年齢分布は30代31件(61%)、20代19件(37%)、10代1件となり、昨年度応募における年齢分布とはおおよそ変動はみられなかった。

審査会は、4名のメンバーで構成した。
【美術】
窪田研二(KENJI KUBOTA ART OFFICE代表・キュレーター)
木村絵理子(横浜市芸術文化振興財団・横浜美術館主任学芸員)
【舞台芸術】
山口真樹子(国際交流基金アジアセンター)
中冨勝裕(横浜市芸術文化振興財団・ダンスプロデューサー)

選考にあたっては、下記4つの選考のポイントを審査基準にして、書類審査と面談審査を行い、審査会を開催した。その結果、採択者は7名で、採択率は13.7%(2018年度は9名、17.6%)と、昨年度以上に厳しい審査となった。

選考のポイント
①発信力:横浜から発信され、横浜市内外への影響が期待されること
②将来性:自身の芸術を広げる・深める活動であり、今後国内外での活躍や発展が期待されること
③独創性:表現手法や形式および形態、またテーマやコンセプトに優れた発想や独自性を有し、新たな芸術創造が期待されること
④実現性:計画および資金使途が明確であり、活動規模や計画進行が妥当であること

今回の審査にあたって、審査員からは次のような講評が寄せられた。
採択者にかけては、総じてアーティストのこれまでの実績と申請内容および活動のビジョンに明確な一貫性が感じられた。
また、結果として美術・舞台芸術ともにリサーチおよびリサーチを経た作品制作に取り組む申請が選出される傾向がみられた。審査会では、リサーチ自身にかけての手法や姿勢のあり方についても議論がなされ、例えば歴史や文化と向き合うことをはじめ、どのような意識で、また手法の具体性を持って取り組まれるのか、といった点が精査された。
そして、今回は昨年と異なり満額での採択がない結果となったが、これは昨年にも増して素晴らしい申請が拮抗していた結果でもある。また、今回惜しくも採択とならなかった方も十分に評価される点や可能性を期待される点があった証左であり、今後とも継続して応募を検討していただきたい。

報告書

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