募集終了 2020年度 クリエイティブ・インクルージョン活動助成

2020年度 クリエイティブ・インクルージョン活動助成

※助成金支払いについて追記しました(4/14更新)

【助成趣旨】

アーツコミッション・ヨコハマ(略称:ACY、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団運営)は、横浜市文化観光局が掲げる、誰もが互いに尊重し、支えあう共生社会の実現を目指す「クリエイティブ・インクルージョン」の理念に基づき、同助成制度を実施します。

「クリエイティブ・インクルージョン」とは、これまでの横浜市の文化芸術の創造性を活かしたまちづくりを踏まえ、障害・人種・国籍・宗教・年齢・性別等の様々な違いを超えて創造的に課題解決を図るとともに、誰もが対等な関係で関わり合い、社会や組織に参画するという考え方です。

本助成では、「クリエイティブ・インクルージョン」の考え方の中から、特にアーティスト、クリエイター等が行う「社会包摂の視点を有しながら現代の表現を追求していく活動」に支援をしていきます。

今後、ますます多様となる社会。アーツコミッション・ヨコハマは、アーティスト、クリエイター等が持つ包摂性の解釈、独自の視点(まなざし)に注目しています。本助成では、芸術と社会の関係を問い、社会の変化を意識しながら個人の表現を追求するアーティスト、クリエイター等を支援します。そして、そのことが市内および国内外に広く伝わることを期待します。

(注意事項)本制度は、3月に開催される横浜市会、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団理事会による承認をもって正式に予算が確定するものです。


「クリエイティブ・インクルージョン」とは、これまでの横浜市の文化芸術の創造性を活かしたまちづくりを踏まえ、障害・人種・国籍・宗教・年齢・性別等の様々な違いを超えて創造的に課題解決を図るとともに、誰もが対等な関係で関わり合い、社会や組織に参画するという考え方です。

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この記事のURL:https://acy.yafjp.org/grants/2020/18466/

募集要項

 

■対象

(1)対象者
上記趣旨で活動を行う個人、団体。

(2)実施内容
上記趣旨に合う内容で、自由にご提案ください。

(3)実施場所
原則として横浜市内。
(活動の一部について海外を含む市外で発表する際は、その経費を認めるか否かを審査で検討しますので、その旨を記載してください。)

(4)対象期間
2020年4月1日~2021年2月28日に実施されるもの
*原則、上記内に執行された経費を認めます。但し、審査前に完了する活動は認めません。
*申請される活動が中長期にわたる場合は、上記期間中に行われるものを対象とします。

(5)その他
横浜市及び横浜市が出資する公的団体が「主催(委託含む)」、「助成金を交付」する事業は、対象になりません。(例:主催として各指定管理施設、創造界隈拠点などが入るもの。)但し、「共催」「協力」「後援」等で、市関連予算が交付されていない場合は、対象になります。


■助成金額

上限200万円/年 *申請金額を決めて応募してください。
(対象経費のACY助成率:初申請制限なし、継続申請の場合、総予算の1/2以内)
※助成金の額は、事業予算の範囲内で決定されます。また、審査の結果が助成金の額に反映されるため申請した助成金額が満額交付されるとは限りません。

*以下を助成対象経費とします。
出演料、企画料、デザイン料、制作費、会場使用費、印刷費、郵送費、保険料など事務費、著作権料、発表等の当日運営費、その他制作活動にあたって必要な経費と認められるもの

*以下を助成対象外経費とします。
交際費、接待費、飲食費、諸給与、事務所維持費、生活費


■審査・評価

(1)審査の方法
専門家からなる審査会にて選考します。
専門家からなる審査会にて書類(1次)及び面談(2次※一次選考通過者のみ)の選考を行います。
面談日時:2020年5月22日(金)13:00~17:00(時間は若干前後する可能性があります)
面談場所:横浜市芸術文化振興財団事務局(横浜市中区山下町2)

(2)審査員(五十音順)

  • こくぼひろし(ひとしずく株式会社 代表)
  • 関 淳一(横浜美術館 教育普及グループ 主席エデュケーター)
  • 曽我部昌史(建築家)
  • 野崎美樹(NPO法人スローレーベル インクルーシブ・プロジェクトマネージャー)

(3)審査のポイント

  • 先駆性:芸術や取組みとして先駆けた活動であるか。
  • 弾力性:思考や行動などが、環境や状況の変化に応じて柔軟に対応できるか。
  • 持続性:自らの持続可能性と社会の持続可能性が繋がり、継続していける活動
    か。
  • 多様性:都市の多様性を理解した活動か。
  • 実現性:企画、体制、場所の確保、予算、スケジュールの妥当性と進行管理能
    力があるもの
  • 影響力:将来的に社会へのインパクトを与える期待がもてるもの

【参考】
事務局では、本助成の趣旨(クリエイティブ・インクルージョン)を達成するためには、計画において、発表段階(アウトプット)と同様に過程段階(プロセス)の仕組み、工夫が重要と考えています。申請段階で、その点がわかるように記入してください。

(4)評価の方法
①過程段階において中間報告会、②発表段階において事務局及び専門家による発表の視察、報告会、報告書にて評価します。


■申請

(1)申請者
クリエイティブ・インクルージョンの趣旨に則り、横浜市内で活動する法人、団体、個人

(2)スケジュール
申請締切   2020年4月20日(月)必着(交付決定通知 2020年5月下旬予定)
(電子メールを受信したメールソースの表示時刻に準じます。)

(3)申請方法
所定の申請書に必要事項を記入し、下記の書類を添えて、データにてご提出ください。
※申請書はウェブサイトからダウンロードしてください。

【提出書類】
①申請書(申請者略歴、企画書、予算書、チーム体制、スケジュール等)(様式1)

②法人・団体(任意団体含む)の場合は定款、役員名簿、決算書を添付。(様式なし)

③その他、本企画に関わる添付資料(過去の実績など)(様式なし)


■申請書類の提出先・お問合せ先

電子メールにて、メールアドレス(acy@yaf.or.jp)までお送りください。メールの件名を「クリエイティブ・インクルージョン活動助成申請」としてください。
メール本文に①申請者団体名もしくは個人名 ②担当者名 ③申請事業名 ④電話番号を明記してください。

※メール送信後、一週間以内に事務局から返信がなかった場合は、必ずご連絡ください。事務局からの受取に関する返信メールがなかった申請は、審査いたしません。
※メールでの資料の送付は容量が大きい場合(目安として5M以上)は、メールへの添付ではなく、安全性が確保できるファイル転送サービスで送付ください。


■申請、連絡、打合せの方法について

本助成は、事務手続き上、日本語を書面に記しての申請が前提となります。また、採択後、事務局と電話、メール、対面等でコミュニケーションが必要となります。

申請までは、どなた様でも応募できるように、事務局で出来る限りのお手伝いをしますので、何でもお気軽にご相談ください。メール、電話、来館、どのような形でも結構です。

また、交付決定後の連絡や打合せの方法は、交付者に応じて決めます。


■助成採択後の義務

(1)ロゴの掲示
助成交付した活動に係って発行するメディアに「助成 アーツコミッション・ヨコハマ」の表記とロゴマークの掲示をすること。

(2)書類の提出
事業終了後1ヶ月以内に、申請時に提出された申請書兼報告書(様式1)の決算等の空欄に必要事項を記入し、領収書等を添付し提出すること。

(3)各種ミーティングへの出席
交付された個人、団体の申請代表者および実施責任者は、アーツコミッション・ヨコハマが招集する会議に出席すること。

(4)視察への協力
発表の際、審査員及び関係者への無償視察の枠を最大10名分提供すること。(但し、定員が極少数の取組の場合は、別途視察会等での対応とします。)

(5)各年度末に開催する助成報告会にて活動報告のプレゼンテーションを実施すること。また、助成報告書を提出すること。

(6)調査への協力
アーツコミッション・ヨコハマが実施する本助成に関わる調査に協力すること。


■留意事項

□天災地変その他やむを得ない事情によって、予定された活動が遂行できなくなった場合は、
交付決定における内容および条件を変更する場合があります。

□次のいずれかに該当する経費は交付対象外となります。
①本助成要綱による助成金のほかに横浜市から補助金又は助成金の交付を受ける
もの
②政治的又は宗教的普及宣伝と認められる活動をするもの
③支出以上の収入が見込める活動をするもの
④公序良俗に反する恐れがある活動をするもの

□次に該当する人は申請できません。
①暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第2号に規
定する暴力団をいう。)
②市税及び横浜市に対する債務の支払い等の滞納がある方


【4月14日追記】
現在の新型コロナウィルス感染拡大期の環境を鑑み、今年度の本制度の支払いは下記要領にて行います。

①採択された後、交付対象者から助成金前払の申請があった場合は、助成申請額の最大80%を前払いします。
②事業完了後に報告書の提出を受け③の作業が終わり次第、残額を支払います。
③事務局にて報告書にある決算書、証憑類を審査後、確定金額を通知します。その際、①で既出した支払い分について返金が必要と判断した場合は、事務局が指示した金額を既出した助成金から返金しなければなりません。
④いずれも、交付対象者からの請求書の提出が必要です。請求書を受領した月の翌月末払いとします。


アーツコミッション・ヨコハマ 助成受付係
アーツコミッション・ヨコハマ〒231-0023 横浜市中区山下町2
電話:045-221-0212 ファックス:045-221-0216
受付時間 9:00~17:00 ※平日のみ

申請書類

交付申請書(Excelファイル)

ダウンロード

Excelが使用できない場合は、事務局までご連絡ください。

交付要綱(PDF版)

ダウンロード

採択対象

舞踏家の加藤氏が、アートに触れる機会が少なくなった横浜市内の高齢者のお宅で、認知症等当事者を中心に様々な人を対象に、アーティストが訪問し、歌や踊りを行うプログラムを実施する。その体験を通してこころ休まる場をつくるとともに、認知症等当事者を中心に介護者やアーティストなど様々な人が集う交流の場をつくるプロジェクト。
次世代を担う子どもたちがアートを通じてより多様な表現力とグローバル思考を育むことをミッションとして活動しているアート団体のLITTLE ARTISTS LEAGUEが、新型コロナウィルス感染症の影響で社会から孤立している在留外国人や子ども達を対象に、オンラインを使用し、双方向性コミュニケーションアートで人と人を繋げるプロジェクトを実施する。

病児者・障がい児者・ご家族・関係者へのオンライン・パフォーマンスデリバリー

新規

特定非営利活動法人 心魂プロジェクト(代表:寺田真実)

NPO法人心魂プロジェクトは舞台に触れられない人に向けてオリジナルミュージカル等様々なパフォーマンスをデリバリーする活動を行っている団体。既に取り組んでいる実績がある中、新型コロナウィルス感染症の流行により今後1年以上病室や家から出られない病児者・障がい児者やそのご家族と関係者に向け、オンラインでパフォーマンスをデリバリーする活動を実施する。コミュニケーションを絶やさないことで各家庭が孤独化せず、パフォーマンスを通して心に活力を送り続けて行くプロジェクト。 このプロジェクトが持続的に発展していき、アートがもたらす個人やコミュニケーションへの変化を観察し、孤独化に関する気づきを社会に与えていくことを期待したい。
現代美術家の渡辺氏の提案で継続3年目。昨年度は、ひきこもり当事者・経験者と“開かれた対話”、“再構築と修復”の概念を取り込んだ対面型制作、展示を行った。社会から孤立した人と接続し、その存在をなきものにしない表現活動を行う事で、これまで社会に対して閉じられ語られてこなかったことを語るきっかけとなっていた。 3年目となる今回の申請は、孤立感を感じるひきこもり当事者と新たに孤立の境遇に立った全ての人を対象とし、遠隔で同じ月の観察をきっかけとするオンライン交流や展覧会を行い、コロナ禍及びアフターコロナに対してのアートプロジェクトを行う。自主隔離を終えた未来、これまでもこれからも孤立せざるを得ない人々に対し、社会の側が他人事の意識を越えてまなざしを向ける機会を創出することで、社会の実状をアーティストの目を通して顕在化させていくことを期待する。
美術家の竹本氏の提案で継続2年目。町で子どもや地域の人々と一緒に新たなまつりをつくるアートプロジェクトを行った。体験を通して都市における新しい共同性の在り方や価値観が社会と共有されるきっかけとなった。2年目となる今回の申請は、昨年度のプロジェクトからの気づきを活かし、山車まつりにあわせてお囃子をつくり、寿町内を練り歩くことを目標にアートプロジェクトを行う。引き続きこの活動を通してこれまで以上に多くの人と共有し、活動が社会に広く周知されることを期待する。

助成評価

【総評】

本助成制度は、平成28年度から数えて5回目の募集である。これまでの実績を見て、クリエイターが持つ独自の視点が深く、広いほど、社会に出る影響は大きく、社会と人の関係性(社会包摂)に優れた問いをもたらすことが分かった。新型コロナ感染拡大の影響を受け、多くの人が閉塞感、孤立感を感じている中で、これまでのインクルージョン活動の対面を前提とした活動から、オンラインなど新しい手法での双方向性があるかたちの活動申請が多くあった。今回の審査結果はインクルージョン活動の新たなかたちや考え方を前進させるものとなった。

本助成制度の審査項目は、要項で以下をあげている。
①先駆性:芸術や取組みとして先駆けた活動であるもの。
②弾力性:思考や行動などが、環境や状況の変化に応じて柔軟に対応できるもの。
③持続性:自らの持続可能性と社会の持続可能性が繋がり、継続していける活動であるもの。
④多様性:都市の多様性を理解した活動であるもの。
⑤実現性:企画、体制、場所の確保、予算、スケジュールの妥当性と進行管理能力があるもの
⑥影響力:将来的に社会へのインパクトを与える期待がもてるもの

25件の応募があった。うち採択されたものは5件で、新規採択3件、継続採択2件となった。
採択されたものは、創造都市施策やクリエイティブ・インクルージョンの取組みの趣旨をよく理解し、中長期的な効果を持ったものが多く、芸術と社会を深く問うものとして期待できるものである。

報告書

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